外国産クワガタ飼育方法
ザウテルシカクワガタ

  
    
      | 飼育難易度 | ★★★ | ★やさしい〜★★★★★難しい | 
    
      | 飼育のポイント | 羽化後翌年まで休眠する。 | 
  
  
    
      | 成虫の飼育 | 活動後ペアリングまで雌雄別居、産卵開始したら雄をわける。 | 
    
      | 成虫飼育温度 | 活動時期の成虫は20度前半がいい。 | 
    
      | 成虫の寿命 | 活動開始後約3月。未交尾だと約半年。 | 
    
      | 野外の産卵部位 | 地表部の朽木。 | 
    
      | ペアリング | 雌雄同居のままだと雌が殺される事があるため、ペアリング時のみ同居。 | 
    
      | 産卵数 | 20〜60卵。 | 
    
      | 幼虫飼育 | 発酵マット、菌糸瓶で問題なく成長する。 | 
    
      | 幼虫の管理温度 | 夏季25度まで、冬季は16度程度。 | 
    
      | 幼虫飼育容器 | 大型の雄で1リットル、雌は0.5リットル程度。 | 
    
      | 幼虫期間 | ほとんどの個体は約8月。春に蛹化し初夏に羽化する。 | 
    
      | 蛹化時の注意 | 高温、過湿に注意。 | 
    
      | 羽化後活動までの期間 | 約1年。 | 
    
      | 羽化後産卵までの期間 | 約1年。 | 
  
成虫の入手
 台湾に分布しているシカクワガタの仲間だ。チュウゴククロツヤシカクワガタと同一種とされる事が多いが、飼育してみると成虫の生態が少し違う。
 台湾では山地帯に分布しているが、個体数はあまり多くない。シーズンには少数ではあるが、毎年入荷している。活動期の成虫を産卵させるのは割と簡単だが、羽化した新成虫は翌年の初夏まで休眠する。
 飼育はペアリングと孵化に少し癖があるが、幼虫は高温に注意すれば発酵マットや菌糸瓶で順調に成長する。飼育もシククワガタの中では簡単な方なので、飼育個体もそこそこ出回っている。うまく越冬させることができれば、飼育個体の方が当たりはずれがないため、新成虫が入手できるならそちらの方がお奨めだ。シーズンには野外産が専門店や通販店で見られるようになり、幼虫も入手できるため信頼できる専門店や通販店に問い合わせてみると良い。
産卵セット
 累代品を入手する場合は羽化日を確認しておこう。この種は羽化した年は活動しない。新成虫の場合は乾燥と高温に注意して、暗く涼しい場所に翌年まで保管する。野外産の場合はそのままセットしてもかまわない。
 ペアリングは雄の気性はそれほど荒くないため雌雄同居でも良いが、念のため樹皮や木片で雌が隠れる場所を多く作ってやる。また、同居させる場合は温度にも注意して、温度を少し低めにしておくと以外と雄はおとなしい。25度以下ならば大丈夫なはずだ。
 産卵させる容器は産卵木が2本程度はいるQBOXの30やプラケースの中の容器で十分だ。産卵木はこの種の場合は柔らかめの産卵木を選び、数時間から一晩水につけて十分に吸水させておく。水につけた産卵木は樹皮を全てむいてしまい埋め込みマットに半分程度埋めてセットする。柔らかめの産卵木の場合、産卵はほとんどが産卵木に行うため、埋め込みマットの質はあまりこだわらなくてもよい。
 ディディエールやタイワンシカなどのシカクワガタは固めの産卵木の方が良く、やわらかい産卵木を使うと、産卵木に坑道を掘ってぼろぼろにしてしまうが、この種は産卵木の表面に産卵し、産卵木に坑道は掘らない。固い産卵木を使うと、あまり産卵しなかったり、マットに産卵することもある。固い産卵木しか用意できない場合は、埋め込みマットに良質の発酵マットを使うと良い。
 セットした産卵木は1月毎に交換する。交換した産卵木は乾燥に注意して1月以上保管する。産卵が確認できれば、雄は別居させ、雌単独でセットする。産卵が確認できなければもう一度雄雌でセットするが、このときには雄を最初に産卵用のセットに入れてやり、2〜3日経ってから雌を同居させる。
幼虫飼育
 1月以上保管した産卵木はうまく産卵されていれば全ての幼虫が孵化しているころだ。産卵木をドライバーなどで少しずつ崩していき、食痕があったら食痕にそって少しずつ産卵木を割っていく。このころの幼虫は初令で弱いため、手荒に扱わず丁寧に扱ったほうがいい。シカクワガタの幼虫は非常に小さく、見逃しやすいため2令幼虫になってから回収したほうがいいかもしれない。
 ほとんどの個体は孵化しているはずだが、卵が出てきた場合は濡れたティシュなどをひいた容器に保管しておくといい。このころの卵は十分に成長してほとんどが孵化する。回収した幼虫はすぐにセットできるように、発酵マットを入れた容器や菌糸瓶を用意しておく。最初にセットする容器は0.5リットルの容器で十分だ。
 幼虫をセットした容器は暗くなるべく涼しい場所に保管しておく。幼虫は夏季の高温には弱いが、ディディエールやアマミシカと比べると高温にはやや強い。しかし温度が高すぎると死亡することもあるため、なるべく25度以下で保管する。
 幼虫をセット後3月経ったら最初のエサ交換を行う。このころには終令幼虫の初期になっている。容器からマットを少しずつかき出していくと、大きく育った幼虫が転がり出てくる。このときに雄雌の判別を行い、雄は1リットル程度の容器に、雌は0.5リットル程度の容器に移し替える。シカクワガタの仲間は、幼虫の雌雄が分からないことがある。雄と思っても雌だったり、逆のこともあるため大きめの幼虫は大きな容器に入れ替えた方が良い。
 エサのマットは最初に与えていたマットと同じものを使ったほうが幼虫が嫌がることが少ないようだ。幼虫のエサ交換を行った後、幼虫がなかなかマットにもぐっていかないことがある。このときは容器のふたを空け、通気をよくしてやればマットにもぐっていく。この後も3月毎にマットを交換していく。幼虫はかなり低温でも活動しているが、大型の成虫を羽化させたいならば、冬季の保管温度は16度程度がいい。
蛹化から羽化
 幼虫は順調に成長していけば翌年の春、温度が上昇し始めると蛹室を作り始める。保管していた温度にもよるが、4月〜6月に蛹室を作り始める。
 蛹室を作りはじめたらエサ交換はせずに、暗く静かな場所に保管する。蛹室を作り蛹化するまでほぼ1月、蛹化して羽化まで約1月で新成虫が羽化する。この時期になるべく高温にならないように注意して保管すること。このときに高温が続くと、羽化不全になりやすい。また、過湿にも注意し、容器の底が過湿のため変色するような状態になったら、容器のふたを開け乾燥させるか、人口蛹室に移し変える。
 無事に羽化した新成虫は蛹室の中で体が固まってもそのまま蛹室にとどまっている。このままの状態で翌年まで休眠するが、乾燥に注意してそのまま保管した方が死亡率は低いようだ。保管中はなるべく暗く静かな場所に容器を保管し、翌年まで静かにしておいた方が良いようだ。羽化後翌年まで休眠するのがこの種のネックだ。
 
  
    
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