国産クワガタ飼育方法
コルリクワガタ

飼育難易度 |
★★★★ |
★やさしい〜★★★★★難しい |
飼育のポイント |
高温には弱い。ルリクワガタより弱い。 |
成虫の飼育 |
雌雄同居で問題ない。高温、乾燥に注意。 |
成虫飼育温度 |
夏季適温は20度前半、冬季の低温には強い。 |
成虫の寿命 |
羽化後約10月。 |
野外の産卵部位 |
地上に落ちた朽木の下部。 |
ペアリング |
雌雄同居で問題ない。 |
産卵数 |
シーズンに30〜50卵。 |
幼虫飼育 |
産卵は湿度の多い朽木、幼虫飼育はマットで成長する。 |
幼虫の管理温度 |
できれば夏季20度以下、冬季は室外の温度でも飼育可能。 |
幼虫飼育容器 |
雌雄とも100cc程度で十分。 |
幼虫期間 |
ほとんどの個体は約1年。低温で管理すると2年かかる個体もある。 |
蛹化時の注意 |
高温で蛹化すると羽化不全になりやすい。乾燥にも注意。 |
羽化後活動までの期間 |
晩夏から秋に羽化した個体は蛹室で越冬する。 |
羽化後産卵までの期間 |
羽化後4月以上。 |
成虫の入手
成虫はブナ帯に生息していて、本州から九州まで分布している。小型のクワガタだが、地方により変異があり美しいため人気がある。東北から関東北部に分布する個体群が最も大型できれいだ。
コルリクワガタは山地帯に生息し分布している所でもあまり個体数は多くない。成虫は春先にブナなどの新芽に集まることが知られている。早春の雪解けが始まり、林床の雪が解けたころにブナの幼木の芽吹きが始まる。晴れた日にこの新芽に雌雄で集まって後食している。ただし、まとまって採集できるのは積雪地帯のみで、積雪が少ない地域ではまとまって採れることはない。生態が分かってから積雪地域の成虫採集はまとまった数が採れるようになったが、秋から春までに朽木から幼虫や新成虫を採集する方法ではまとまって採れる種類ではない。採集しても温度管理が難しいため生体が販売されることはまずない。この種の生体を入手しようと思ったら、自分で採集に行く方が早い。幸いなことにブナ帯にはかなり広く分布しているため、春の成虫採集や秋か春の朽木採集に採集に出かけよう。野外では地表や地面に埋まった湿度の多い朽木に産卵されていることが多い。産卵時にルリクワガタより一回り小さな産卵マークをつけるが、地中に埋もれた朽木では産卵マークが消えているものも多い。冬は凍結しているし積雪地帯は入山することも難しいため無理をしないこと。
累代飼育は思ったより難しくない。成虫の成熟期間は羽化後2〜3月と短く、夏に羽化した新成虫は秋になればペアリング可能な状態になっている。野外では活動できる期間が短いため越冬後に活動するが、新成虫を活動できる温度で保管しておけば3月程度で交尾、産卵可能になる。高温に注意すれば年間を通して飼育可能なため、思ったより楽しめる種類かもしれない。
産卵セット
新成虫は秋に羽化して蛹室でそのまま春まで越冬する。越冬後の活動開始はかなり早く、温度が上がってきたら活動を開始する個体が多い。野外では桜が咲くころに蛹室を脱出するが、室内で飼育している場合は温度にもよるが、2月から3月に蛹室を脱出する。暖かくなったら頻繁に確認しないといつの間にか活動して死んでいたと言う事になりかねない。
産卵はなるべく腐朽が進んだ朽木を数時間から一晩水につけ、十分に吸水させてからセットする。容器は成虫が良く活動するためプラケースなどが良い。ケースの底に埋め込みマットを半分程度入れ、産卵木を容器の中にねかして入れてやる。産卵ケースの中に雄雌を放してやるが、複数の雄雌を入れてもかまわない。産卵木はなるべく多く入れてやり、雌の選択肢を多くしてやる。コルリクワガタは湿度の多い朽木を好むため、マットはかなり多湿の状態でセットする。産卵木はかなり古くなった灰色がかったような朽ち木に良く産卵する。広葉樹であれば樹種は問わないようなので、山に行った際に落ち葉に埋もれて古くなった朽ち木を数本拾ってくると良い。
成虫の産卵セットの温度は20度前半年として、25度以上の環境には置かない事。成虫は25度以上でも元気に生きているが、卵や幼虫は温度が上がると死亡する。エサはリンゴを小さく切り適当においておくとかじっている個体を見ることができる。産卵セットは明るい場所に置き、日中はカーテン越しに日が当たる様な所がいい。ただし、高温と蒸れには十分に注意すること。
産卵木は交換する必要はなく、成虫が死亡するまでそのままにしておいたほうがいい。うまく産卵していると産卵木の表面に産卵マークが沢山ついているはずだ。
幼虫飼育
成虫が死亡した後の産卵木は、20度程度で保管する。温度が上がると幼虫はすぐに死亡してしまうため、絶対に高温にはさらさないこと。産卵木は乾燥に注意してそのまま保管していてもかまわないが、秋になったら産卵木から幼虫を回収する。産卵マークの近くを注意して削っていくと終令幼虫が出てくる。一本の朽ち木に多数の幼虫が入っている場合は、手で簡単に崩せるほどぼろぼろになっている。幼虫は削った産卵木のかけらを集めてエサにしても良いし、白枯れの朽木をミキサーなどで粉砕したマットを容器に詰めた物でもかまわない。容器の大きさは100ccもあれば十分だ。マットの劣化に気をつけていれば、このまま成虫までエサ交換しないで大丈夫だ。
回収した幼虫は冬季は暖房のない室内で飼育するか、野外の日のあたらないような場所で保管しても良い。コルリクワガタはルリクワガタなどと比べると乾燥には弱いため、プリンカップなどで飼育する場合は乾燥には十分注意して保管する。幼虫は室内で保管すると冬季でも越冬状態にならず、エサを食べながら成長していく。室外の温度が低い場所に保管している幼虫は、半透明の越冬状態になり活動を完全に停止する。春になり温度が上がると越冬状態になっていた幼虫も活動を開始する。
蛹化から羽化
低温で保管した幼虫は翌年の夏に蛹化し、新成虫が羽化する。室温で保管した幼虫は翌年の春から秋に羽化するが、孵化した当年の秋に羽化する個体から、翌年の初夏に羽化する個体まで、羽化する時期にずれが生じることが多い。
蛹の期間も高温には非常に弱いため、夏季は20度程度で保管すること。羽化した新成虫は冬季の温度が高いと活動してしまうため温度の低い場所に保管する。活動の時期を合わせるため、冷蔵庫で保管してもいいが、冷蔵庫の中は乾燥が激しいため、頻繁に確認して必要があれば水分を加える。翌年の春になったら冷蔵庫から出し、活動を開始させ産卵セットをする。
夏の早い時期に羽化した個体は秋までには十分に成熟しているため、越冬させずに秋にペアリングしてもかまわない。ペアリングしない場合は温度を下げて越冬させてしまえば、翌年の春に活動を開始する。
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