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国産クワガタ飼育方法
マダラクワガタ
| 飼育難易度 | ★★★ | ★やさしい〜★★★★★難しい |
| 飼育のポイント | 高温には弱い。乾燥にも注意。 | |
| 成虫の飼育 | 雌雄同居で問題ない。高温、乾燥に注意。 |
| 成虫飼育温度 | 夏季適温は20度前半、冬季の低温には強い。 |
| 成虫の寿命 | 羽化後半年〜1年。 |
| 産卵部位 | 赤枯れの朽木中。 |
| ペアリング | 雌雄同居で問題ない。 |
| 産卵数 | 年間で20〜30卵。 |
| 幼虫飼育 | 赤枯れの朽木を使う。針葉樹、広葉樹問わない。 |
| 幼虫の管理温度 | できれば夏季25度以下、冬季は室外の温度でも飼育可能。 |
| 幼虫飼育容器 | 雌雄とも100cc程度で十分。 |
| 幼虫期間 | ほとんどの個体は約1年。低温で管理すると2年かかる個体もある。 |
| 蛹化時の注意 | 高温で蛹化すると羽化不全になりやすい。乾燥にも注意。 |
| 羽化後活動までの期間 | 羽化後2月程度で蛹室を脱出する。晩夏から秋に羽化した個体は蛹室で越冬する。 |
| 羽化後産卵までの期間 | 羽化後2月以上。 |
成虫の入手
マダラクワガタは北海道から九州まで分布しているが、山地性で探さないと採れないし小型の種類のためあまりおなじみの種ではない。国産のクワガタでは最小の種で、見た目にはクワガタに見えないが、雄にはちゃんと大顎がありクワガタの仲間だ。屋久島に分布するものは亜種に分けられている。ルリクワガタやコルリクワガタを採集に行くと、同じような場所に生息しているため、採集できることがある。本州中部では標高1,000m程度の場所に多く、赤枯れの朽木の中で幼虫、成虫とも採集できる。成虫は夏の日の特に温度が高い夕方に飛翔することがある。
分布はやや局地的で、個体数もそれほど多い種ではないため、成虫や幼虫が販売されていることはほとんどない。西日本では分布は限られるが、中部以北では分布している山が多いため秋や春に赤枯れの朽木を探してみるのが良い。
産卵セット
マダラクワガタは野外では地上部の赤枯れの朽木に産卵している。朽木の太さはあまりこだわりはない様で、指の太さくらいから大木の赤枯れにも生息している。飼育しても成虫は各種の太さの赤枯れの朽木に産卵する。採集にいったときに産卵用の赤枯れの朽木を拾ってくるといい。産卵セットの容器は、深めのプラケース小か中が良い。容器の底に赤枯れの朽木を粉砕したマットを5cm位固く詰め込む。その上に十分に吸水させた赤枯れの朽木を数本入れ、産卵木を半分程度赤枯れの朽木を粉砕したマットで埋めてしまう。マットの表面には成虫が転倒しても起き上がれるように樹皮や木片を置いておく。
野外産で活動中の成虫を採集することはかなり難しい。夏季に生息地の朽木をひっくり返すと朽木の表面についていることがあるが、小さいので見落としが多い。ペアリングは新成虫を使うことになるが、ペアリングは雌雄同居で問題ない。
産卵はほとんどはが材に産卵される。また、容器の底の固く詰めた部分にも産卵することがある。産卵セットは材の大きさにもよるが、交換する必要はなく成虫が死亡するまでそのまま保管する。
産卵中の温度はできれば20度以下の温度で管理する。成虫は乾燥気味より多湿気味を好むため、マットの表面が乾いたらキリフキなどで加湿する。
幼虫飼育
秋になり成虫が死亡したら幼虫を回収する。材の中では早い時期に産卵されたものは、2令幼虫になっているはずだ。産卵セットを大型のケースに空けマットや材の幼虫を回収していく。幼虫のエサは産卵セットに使用した赤枯れの材を粉砕したマットと、赤枯れ材の一部を利用する。容器の中にマットを少し入れ、容器に中心に材を小さくしたものを詰め込み、隙間にマットを詰めて固く押し固める。卵が出てきた場合は濡れたティシュなどをひいた容器に保管しておくといい。最初にセットする容器は0.1リットルの容器で十分だ。幼虫をセットした容器は暗くなるべく涼しい場所に保管しておく。幼虫は夏季の高温には弱いため、なるべく20度以下で保管する。
幼虫をセット後6月経ったら最初のエサ交換を行う。このころには終令幼虫の初期になっている。容器からマットを少しずつかき出していくと、大きく育った幼虫が転がり出てくる。雌雄とも0.1リットル程度の容器に移し替える。エサのマットは最初に与えていたマットと同じものを使ったほうが幼虫が嫌がることが少ないようだ。この後も6月毎にマットを交換していくが、冬季に低温のために幼虫がまったく活動しない状態になったら交換は控えたほうがいい。幼虫はかなり低温でも活動しているが、大型の成虫を羽化させたいならば、冬季の保管温度は10度程度がいい。
孵化した幼虫は最初の年は初令から2令で越冬し、翌年の夏に蛹化する。夏季の温度が低いと幼虫期間が2年になることもある。
マダラクワガタの幼虫は非常に小さいため、幼虫を回収する際は見落としに注意すること。幼虫を回収した破片は別の容器にとっておき、しばらく経ってから見ると必ずといっていいほど幼虫が見つかる。マダラクワガタの飼育は幼虫回収せずに産卵セットでそのまま成虫まで羽化させたほうがいいような気がする。成虫もマットや朽木の表面と紛らわしく、見分けがつきにくい。じっと見ていると動き出した木片がマダラクワガタの成虫だったりする
蛹化から羽化
幼虫は順調に成長していけば初夏に蛹室を作り始める。保管していた温度にもよるが、7月〜8月に蛹室を作り始める個体が多い。蛹室を作りはじめたらエサ交換はせずに、暗く静かな場所に保管する。蛹室を作り蛹化するまでほぼ1月、蛹化して羽化まで約1月で新成虫が羽化する。この時期になるべく高温にならないように注意して保管すること。このときに高温が続くと、羽化不全になりやすい。また、過湿にも注意し、容器の底が過湿のため変色するような状態になったら、容器のふたを開け乾燥させるか、人口蛹室に移し変える。
無事に羽化した新成虫は蛹室の中で体が固まるまでとどまっている。羽化した新成虫は蛹室にそのままとどまり、そのまま越冬する。このような新成虫は無理に蛹室から出さず、そのまま乾燥に注意して越冬させたほうが失敗が少ない。翌年温度が上がり始めると活動を開始するため、あらかじめ産卵セットを作成しておき活動が始まったら産卵セットに移す。
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