国産コガネムシ標本写真館

オオセンチコガネ

Phelotrupes (Chromogeotrupes) auratus auratus (Mtschulsky,1857)

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左♂ 右♀ 共に北海道阿寒郡産
左♂ 右♀ 共に長野県産
左♂ 右♀ 共に熊本県産
左♂ 右♀ 共に北海道阿寒郡産


分布:
北海道、本州、四国、九州、対馬

体長:12.4〜22.0mm

雌雄の区別:♂の前脛節は第一外歯が前方に伸び、下方に3〜4歯突出する。また、頭楯の金属光沢が強い。

生態:春季から秋季まで出現し、各種の獣糞に集まる。平地から山地まで分布するが、山地よりの牧場や山林内に多く、活動期には獣糞を探して山林の林床を飛び回る。晩夏から秋季に個体数が多くなる。

 センチコガネより大型で、金属光沢はより強い。本州中部以西では山地帯に多くなり、平野部ではあまり見られなくなる。
 活動期には林内を飛翔している個体を見かけることが多いが、飛翔速度は思ったより早い。鹿や猿、猪などの野生獣の糞や、放牧地の牛糞にもよく見られる。完全なオープンスペースは好まないようで、放牧地などで見られる場合は樹林に隣接する場所に多く見られる。

 ミドリセンチコガネやルリセンチコガネは関西に分布するオオセンチコガネの型の一つだが、分布する地域によって体色には少しずつ変化があるようだ。関西以外の個体は赤紫に輝く個体が多く、本州から九州までに分布する個体は同じ地域の個体群の体色はあまり変化がない。しかし北海道に分布する個体は同じ地域に分布する個体群にも体色の変化は大きく、赤紫色から緑色まで様々な体色の個体が見られる。青色の個体は関西と屋久島のみで見られ、他の地域では現れないようだ。

北海道では道北地方以外に局地的に分布し、低地では牧場周辺、山地ではエゾシカの生息域に分布している。道南の一部や道東(釧路、根室、網走)に生息する個体群は主に赤銅色が出現する。日高〜夕張〜十勝のエリアは主に金緑色のタイプが現れる。