国産コガネムシ標本写真館

ケブカアカチャコガネ

Dasylepida ishigakiensis (Niijima et Kinoshita,1927)

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石垣島産

分布:宮古島、石垣島、西表島

生態:成虫は2月から4月に現れる。♂は夕刻から夜の初めに飛翔し♀を探す。幼虫期間は約2年で、2年目の秋に蛹化、次いで羽化する。体が固まった新成虫は2月から3月に蛹室を脱出し活動する。

 以前は八重山諸島の石垣島と西表島に分布していて、比較的珍しいコガネムシだった。近年宮古諸島に進入し、サトウキビの害虫として駆除の対象となっている。サトウキビに害を与えるのは終令幼虫初期で、食欲が最も盛んな9月頃になる。現在では宮古島の他に伊良部島にも進入しているようだ。
 石垣島にもサトウキビ畑は昔からある。石垣島では問題になったという話は聞いたことがなかったが、宮古諸島でサトウキビに被害を与えるようなコガネムシになってしまったのが不思議だ。体長15mmほどのあまり大きくないコガネムシだが、石垣島では天敵や競合種が多く、大発生は出来ないような環境でバランスが取れていたためだろうか。それとも国外の個体が新たに進入した物なのだろうか。