国産クワガタ標本写真館

ミヤケノコギリクワガタ 

Prosopocoilus inclinathus miyakejimaensis

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左から神津島産、三宅島産

分布:伊豆諸島(伊豆大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島)

生態:6〜10月に出現し各種の樹液や熟果に集まる。灯火に飛来することも多い。各島とも個体数は多い。

 2009年に記載されたノコギリクワガタの亜種。記載では伊豆大島、利島、御蔵島産の個体群は亜種から除外されているが、従来の交尾器主体の分類から見れば伊豆大島から御蔵島の個体群は同じグループになり、外部形態がやや異なる伊豆大島、利島の個体群はミヤケノコギリクワガタの単なる型として見るべきだと思う。
 御蔵島の個体群は2010年に亜種として記載されているが、記載されている特長のほとんどはミヤケノコギリクワガタと共通する特徴のため、亜種として記載するには無理が多すぎる。
 人によって見方が違うのはミヤケノコギリクワガタの記載者のあいまいな見解に大きな原因があるように思える。ここでは伊豆大島から御蔵島までの個体群をミヤケノコギリクワガタとし、伊豆大島と利島の個体群をミヤケノコギリクワガタの型として扱うこととする。
 生態はノコギリクワガタとほとんど同じで樹液や熟果に集まり、灯火に飛来する個体も多い。樹液が出る木が少ないためヤシャブシなどの枝をかじって樹液を出している個体も多い。伊豆大島では出現時期が遅く最盛期は8月以降になるが、その他の島では本土のノコと最盛期のずれはほとんどない。