国産クワガタ標本写真館

タカネルリクワガタ 

Platycerus sue Imura、2007

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高知県産










 


分布:四国(愛媛県、高知県)

生態:5〜7月に出現する。晴天時にブナの新芽などに集まる。

 四国の石鎚山脈、法皇山脈に分布する種。2007年に独立種として記載された。

 タカネルリクワガタは2007年11月、およそ20年振りとなるルリクワガタ属の新種として記載された。
 2008年3月、環境省により「絶滅のおそれのある野生動植物の保存に関する法律」に基づく「緊急指定種」に指定・公示され、これにより平成20年3月26日から平成23年3月25日までの間、タカネルリクワガタは採集や譲渡が禁止された。
 2011年3月、環境省よりタカネルリクワガタの「国内希少野生動植物種」への指定は見送るとの発表がなされた。理由は以下の通りである。
@生態的特性が近いコルリクワガタ(普通種)と比較しても生息密度は高い。
A主たる生息地は急峻な斜面であり、人工構造物の設置や捕獲等は物理的に困難。
B生息地の一部が国定公園や森林生態系保護地域などにより保全されている。

 核遺伝子解析の結果から、タカネルリクワガタはニセコルリクワガタ種群に近縁だが、ミトコンドリア遺伝子解析ではコルリクワガタ種群に近縁という結果となった。これはニシコルリクワガタからの遺伝子浸透を受けたことによるものと考えられる。

ニセコルリクワガタとは次のような違いがある。
@ニセコルリクワガタに比べ、ずんぐりとした体形をしている。
A♂の背面は、青藍色が強い。
B上翅の点刻が粗い。