国産蝶類標本写真館

クロアゲハ 

Papilio protenor

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東京都産 夏型♂ 表面
東京都産 夏型♂ 裏面
東京都産 夏型♀ 表面
東京都産 夏型♀ 裏面
石垣島産♂ 表面
石垣島産♂ 裏面
与那国島産♀ 表面
与那国島産♀ 裏面

分布:本州、四国、九州、南西諸島。東北地方北部ではほとんど見られない。

生態:関東の平野部では4月から現れる。関東では年3回、南西諸島では年4〜5回発生する。樹間などの少し薄暗い場所を好んで飛翔し、各種の花に吸蜜に来る。

食草:サンショウ、イヌザンショウ、ミヤマシキミなどの野生種から、カラタチ、ミカン類各種の栽培種までミカン科各種。

 東京などの都市部でもよく見られる蝶だ。東京で飛んでいる黒いアゲハはほとんどがこの蝶だ。春はナミアゲハよりやや遅れて発生する。発生回数も少ないようだ。南西諸島の個体群は尾が短くなり、赤い紋が発達する。
 高校生の頃、学校の裏庭に夏ミカンの木があった。大きな木で3mくらいあっただろうか。その夏ミカンの木の木陰になった下枝に良くこの蝶の幼虫が付いていた。日当たりの良い葉上からは見つからなかったので、幼虫も暗い環境を好む様だ。
 沖縄から八重山諸島に生息するものは沖縄・八重山亜種、日本本土亜種に比べて後翅の赤色紋が強く発達し、ときに♀の裏面では尾状突起を除く後翅後部半分が赤くなる。また尾状突起が日本本土亜種に比べて短い。