国産蝶類標本写真館

ミヤマカラスアゲハ 

Papilio maackii

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分布:北海道、本州、四国、九州(種子島、屋久島以北)。

生態:通常年2回、寒冷地では年1回、九州南部では年3回。山地の樹林帯に多く、各種の花で吸蜜する。♂は占有行動をとることがあり、湿地で群れて吸水する事も多い。

食草:キハダ、ヒロハノキハダ、カラスザンショウ、ハマセンダンなど。各種柑橘類やカラタチ、コクサギなどは好まず生育しない。

 北海道などの寒冷地の春型は白帯が発達し、非常に綺麗だ。本州では山地の樹林帯に多く、湿地で吸水する個体を見ることも多い。寒冷地の蝶と言った印象が強い蝶だが、九州南部では食草のハマセンダンと共に平野部にも分布している。
 春型は夏型と比べると小型だが、そのぶん輝きが凝集されて美しい。夏型のミヤマカラスアゲハは大型で、国産の蝶としては最大級の大きさ。またミヤマカラスアゲハの仲間は個体や地域によって変異が多く、一般に寒冷地ほど美麗な傾向にある。だからといって寒冷地に適応した蝶ではなく、北日本に産地が多いのはキハダやカラスザンショウなどの食草の分布が北日本に片寄っているため。九州や屋久島などでは海岸沿いに生えるハマセンダンを食草としているため、海岸沿いの樹林近くを飛翔している。真っ赤なハイビスカスに吸蜜にくるミヤマカラスアゲハは、寒冷地に分布している蝶といった印象は微塵も感じられない。
 ミヤマカラスアゲハは春型と夏型があり、季節による変異が大きい。また、地域による変異が大きいため、いくつかの地域の個体を紹介しています。表面の変異だけではなく、裏面の変異もかなりの幅がありますので、あわせて確認してください。

北海道産 春型♂ 表面 北海道産 春型♂ 裏面
北海道産 春型♀ 表面 北海道産 春型♀ 裏面
滋賀県産 春型♂ 表面 滋賀県産 春型♂ 裏面
東京都産 春型♀ 表面 東京都産 春型♀ 裏面
屋久島産 春型♂ 表面 屋久島産 春型♂ 裏面
東京都産 夏型♂ 表面 東京都産 夏型♂ 裏面
東京都産 夏型♀ 表面 東京都産 夏型♀ 裏面
鹿児島県産 夏型♂ 表面 鹿児島県産 夏型♂ 裏面
対馬産 夏型♀ 表面 対馬産 夏型♀ 裏面