国産蝶類標本写真館

アサギマダラ 

Parantica sita

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石垣島産 ♂表面
石垣島産 ♂裏面

分布:北海道、本州、四国、九州、南西諸島

生態:多化性で本州中部では2〜3回、暖地では4〜5回の発生。南西諸島では通年成虫が見られる。越冬態は幼虫。成虫は樹林周辺に生息し、緩やかに飛翔する。ネズミモチ、アザミ類、ヒヨドリバナ、オカトラノオなどの花で吸蜜する。

食草:キジョラン、イケマ、オオカモメズル、サクララン

 夏は本州の高原などの標高が高い地域に、秋から春は低地や南西諸島に多い。移動する蝶として知られていて、アサギマダラの成虫は1年のうちに、日本本土と南西諸島、台湾の間を往復していることが知られている。ただし北上する個体と南下する個体は子孫の関係で、同じ個体が移動する渡り鳥の移動とは異なる。
 夏に日本本土で発生したアサギマダラは秋になると南西諸島や台湾まで南下、繁殖した子孫が春に北上し、日本本土に再び現れる。中には直線距離で2,500 km以上移動した個体や、1日あたり200 km以上の速さで移動した個体もある。小さな蝶だが、大きな能力を持っているようだ。