国産蝶類標本写真館

ツマムラサキマダラ 

Euploea mulciber

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宮古島産 ♂表面
宮古島産 ♂裏面
宮古島産 ♀表面
宮古島産 ♀裏面

分布:以前は迷蝶として稀に採集される程度だったが、現在では沖縄本島以南の南西諸島では土着しているようだ。

生態:多化性で特定の越冬態はない。年数回の発生。食草が自生している地域の畑地や荒地の周囲を緩やかに飛翔し、各種の花で吸蜜する。

食草:ガジュマル

 成虫は、各種の花でよく吸蜜する。マダラチョウの仲間は体内に毒を保有しており、その危険性を知らせるためか、非常にゆるやかに飛翔する。幼虫時に体内に蓄積した有毒成分を成虫になってもなお持ち続け、鳥などの捕食者に同種が食われるのを防いでいる。
 以前はまったく見られなかった種だが、近年は八重山諸島では普通に見られるようになった。ここ20年位、以前はまったく見ることができなかった蝶が南西諸島以北で見られるようになったが、環境温度が上昇しているためだろうか。環境そのものは悪化している地域がほとんどなのに、ほんの数度の温度の変化で分布が変わってしまう。昆虫の分布の変化は面白いものだ。