国産蝶類標本写真館

バナナセセリ 

Erionota torus

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沖縄本島産♂ 表面
沖縄本島産♂ 裏面
沖縄本島産♀ 表面
沖縄本島産♀ 裏面

分布:沖縄本島。

生態:多化性で、冬季でも卵から成虫の全ステージが見られる。成虫は市街地周辺に多く、夕方によく活動し、人家の灯火にも飛来する。金属光沢のあるものにも飛来する。

食草:バショウ科のバナナ、ハナバショウ、ヒメバショウなど。

 現在分布しているセセリチョウでは最大種。日中はほとんど活動しない。
 もともとは分布していなかった種で、ベトナム戦争時にインドシナ半島から持ち込まれた種。1972年から75年にかけて大発生し、その後定着してしまった。

 初めて沖縄本島に行ったのは70年代の後半だった。南部の市街地郊外で蝶の採集をしていたら、視覚の端を何かが横切るのが見えた。瞬間的にネットを振りぬいたら大型の見慣れないものがネットでバタついていた。スズメ蛾より大きいし、小型の蝙蝠を採ってしまったかと思ったが、ネットの中でバタついていたのはバナナセセリだった。夕方にしか活動しないが、薄暗くなった中で飛翔するバナナセセリは超小型の戦闘機が飛び回っているように見える。