国産蝶類標本写真館

モンキチョウ 

Colias erate

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北海道産♂ 表面
北海道産♂ 裏面
北海道産♀ 表面
北海道産♀ 裏面

分布:北海道、本州、四国、九州、南西諸島。

生態:多化性で寒冷地では年3回程度、九州では5〜7回程度の発生。成虫は早い年は2月から現れ、田畑の周辺、牧場、堤防などの明るい草原に好んで棲息し、敏速に飛翔し各種の花で吸蜜する。

食草:マメ科のシロツメクサ、ミヤコグサ、クララ、コマツナギ、クサフジ、レンゲなど。

 ♀には黄色い型と白い型がある。遺伝によるもので、白い型の方が遺伝的には優勢。
 各地に広く分布していて、見る機会は多い蝶だ。群生することはほとんどないが、本州などでは高原地帯の牧場の草地で多く見る事がある。牧場には牧草が植えられているが、日当たりの良い場所を好むマメ科の草本もよく見られる。放牧されている牛はクララなどを好まないため、モンキチョウの食草が豊富にあるためらしい。子供のころ、初めて行った浅間牧場には多数の個体が飛び回っていたのを思い出す。
 モンキチョウの仲間は寒冷地に好んで分布している種が多いが、この蝶は北海道の高山帯から南西諸島の亜熱帯まで広く分布している。国外にも分布は広い蝶だが、ここまで分布を広げられたのは食性の関係なんだろうか。それともこの種には暑さに耐える能力があるんだろうか。北海道と南西諸島に分布している個体群では、耐寒性、耐暑性に違いがあるような気がする。