国産蝶類標本写真館

スジグロシロチョウ 

Pieris melete

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山梨県産 春型 表面
山梨県産 春型 裏面
千葉県産 夏型♂ 表面
千葉県産 夏型♂ 裏面

分布:北海道、本州、四国、九州、南西諸島(奄美諸島以南を除く)。

生態:3月下旬から現れ、年5〜6回発生する。成虫はやや薄暗く湿った場所に多く、各種の花で吸蜜する。

食草:アブラナ科のタネツケバナ,イヌガラシ,ワサビなど。

 林縁や渓流沿い、野原で見られるモンシロチョウによく似た種。人家周辺でも普通に見られ、モンシロチョウと間違われていることも多いが、本種の方が、比較的うす暗い環境を好み、林縁や、木が良く茂った公園などではモンシロチョウよりもむしろ多く見られる。幼虫の食草は、イヌガラシなどアブラナ科の植物。栽培種のダイコン、クレソンなども食べる。
 スジグロシロチョウも以前は都内にも多かったが、近年はモンシロチョウが圧倒的に多くなってしまった。スジグロシロチョウは近年の東京の高い温度に弱いようで、東京で以前に多かったのは気温が低いときにムラサキハナナなどの食草が増えたためで、その後気温が上がって高温に強いモンシロチョウに代わってしまったためらしい。昆虫の分布は数度の気温の変化の微妙なバランスの上に成り立っているようだ。