国産蝶類標本写真館

ツマベニチョウ 

Hebomoia glaucippe

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石垣島産♂ 表面
石垣島産♂ 裏面
奄美大島産♀ 表面
奄美大島産♀ 裏面

分布:九州南端から南西諸島。

生態:多化性で年4回程度発生する。九州南端では4月から11月まで、八重山諸島では2月から12月まで姿が見られる。成虫は谷や海沿いの斜面に生息し、午前中に活発に活動する。

食草:ギョボク。

 九州南端から南西諸島に広く分布する大型のシロチョウだ。飛び方は早く、樹林の上を活発に飛翔する。飛翔力は強いようで、海上を飛んでいる個体も観察されている。
 始めてこの蝶を見たのは九州南端の佐多岬だった。真夏の暑い日で、木陰で休んでいると頭上をツマベニチョウが飛び越えていく。日差しをいっぱいに受けて飛んでいる姿は、「南国に来たんだ」と言う気持ちにさせてくれる。真っ赤なハイビスカスに吸蜜に来る姿は写真などでよく見るが、もっとも似合っている風景に思える。
 南の地域の個体ほど大型で、九州南部から種子島・屋久島亜種、奄美諸島・沖永良部島亜種、沖縄諸島亜種、八重山諸島亜種に分けることもあるが、変異は連続的で区別がつかない個体も多い。