国産蝶類標本写真館

ベニモンカラスシジミ 

Strymonidia iyonis

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長野県産 ♂表面 
長野県産 ♀表面 
岡山県産 ♀表面 
 
岡山県産 ♀裏面
 
分布:本州、四国。

生態:低地では5月中旬から下旬、山地では6月上旬から6月下旬に出現する。成虫は石灰岩地帯の樹林に棲息し、♂は晴天時の昼前後に林縁に現れ、ミヤマシグレ、ウツギ類などの花で吸蜜する。飛び方は緩やか。

食草:クロウメモドキ科のコバノクロウメモドキ、キビノクロウメモドキ。

 昭和31年四国で発見され、翌年新種として発表された。その後中国地方、静岡・愛知・長野県境などのごく一部の地域で発見された。分布が分断されているため、地域的変異が大きい。
 本州に生息している蝶のなかでも屈指の珍蝶。石灰岩質の急斜面や崖に生息していることが多く、野外で成虫を見ることは難しい。現れる時期もゼフィルスと比べるとやや早く、地味な種のため見つけにくい。食草が判明してからは意外な地域で見つかるようになったが、少ない種であることは変わりがない。