国産蝶類標本写真館

フジミドリシジミ 

Quercusia fujisana

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長野県産♂ 表面 
 
長野県産♂ 裏面
長野県産♀ 表面
長野県産♀ 裏面
分布:北海道(渡島半島、奥尻島)、本州、四国、九州。山地性で個体数はあまり多くない。

生態:6〜7月に出現し、♂は夕方活動し、樹上を緩やかに飛ぶ。

食草:ブナ、イヌブナ。

 ♂の翅表は青緑色に輝くが、光沢はあまり強くない。♀は黒一色で斑紋はない。
 ブナ帯のみに分布する種で、多産する場所はないが分布は広い。東京周辺でもブナがあれば分布している場所は多く、高尾山は有名な産地だ。
 昔、新島々から上高地に歩いて抜けたことがある。岩魚止め小屋に一泊し、のんびりと景色を眺めながら歩いていった。途中ではコムラサキの乱舞やコヒオドシなどが迎えてくれた。意外だったのはアカシジミが結構多かったことで、ミズナラ、ブナの林を元気に飛んでいた。
 徳本峠の急坂にかかるあたりで樹上から緑色の蝶がはらはらと落ちるように飛んでくるのが目に入った。その蝶がフジミドリシジミで、始めて採集したフジミドリシジミだった。画像の♂はその個体だが、この個体を見ると今でも風景が目に浮かぶ。