国産蝶類標本写真館

ヒロオビミドリシジミ 

Favonius latifasciatus

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岡山県産 ♂表面
岡山県産 ♂裏面
岡山県産 ♀表面
岡山県産 ♀裏面
 
分布:本州(大阪以西)。

生態:6月中旬から下旬に出現し、♂は午前11時から12時頃と、午後3時から4時頃に活動し、一定の空間を占有する。

食草:ナラガシワ。

 本州の中国地方を中心に分布している。大阪府境の三草山以西の本州にのみ分布するゼフィルスの一群。いわゆる薪炭材のナラガシワのみを食べるので、人里に近い雑木林に住む蝶。標高が高くなるとナラガシワはカシワに置き換わり、分布する蝶もハヤシミドリシジミに置き換わる。
 クリの花によく飛来する。卵は,幹の裂け目や枝の分岐部,芽の基部などに産まれるため、この仲間では見つけにくい。

 私は関東に住んでいるが、この蝶はある種の憧れだった。30年ほど前に、能勢にオオクワガタを探しに行ったついでに、よく知られていた産地の三草山に行ってみた。樹上を叩き出し、初めてこの蝶を採集したが、残念ながら季節はずれで綺麗な個体ではなかった。採集したこの蝶は翅表の輝きが緑がかっていて、関東で見るゼフと趣が違って見えた。綺麗な個体を標本にしたくて冬にも採卵に行ったが、勝手が違って最初の年は採卵できなかった思い出がある。今から思えば個体数が少ない地域だったが、当時はあまり情報も知らないで「行けば何とかなるだろう」と思って色々なところに行って失敗していた。そんな経験は今もあまり生かされず、相変わらず失敗を繰り返している。