国産蝶類標本写真館

ヒサマツミドリシジミ 

Chrysozephyrus hisamatsusanus

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滋賀県産 ♂表面
滋賀県産 ♂裏面
滋賀県産 ♀表面
滋賀県産 ♀裏面
 
分布:本州(中部以西)、四国、九州。

生態:6月中旬から下旬に現れ、♂は夕方に占有性を示す。敏速に飛翔し、ミドリシジミ類のなかでも特に高速で回転半径の小さい卍飛翔をする。♀は10月まで見られる。

食草:ウラジロガシ。アカガシ、ツクバネガシからも卵が見つかる。

 本州の分布東限は福井県、長野県、山梨県まで。暖帯林と温帯林の境界付近に分布の中心があり、落葉樹と常緑樹が混在している地域に多い。分布は局地的で、分布の空白地域も多い。
 食草が見つかるまでは、最も珍しい蝶の一つだった。食草がわかってから、意外な地域でも分布していることが判明した。
 この蝶の成虫は採集したことがないが、採卵には何度か行ったことがある。ウラジロガシの高い場所に産卵するため、私のように木登りができない人間にとっては非常に採卵しづらい種だ。それでも行けばいくつかは採れるため、綺麗な輝きの成虫を見ることができる。
 ウラジロガシは落ちたらただではすまないような急峻な斜面の中腹に生えているような場合が多く、採卵にいく場合は十分に注意してほしい。