国産蝶類標本写真館

キマダラルリツバメ 

Spindasisi takanonis

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鳥取県産♂ 表面 
 
鳥取県産♂ 裏面
 
分布:本州。産地は局地的。

生態:年1回の発生。暖地では6月中旬から、寒冷地では7月上旬から姿が見られる。成虫は社寺の境内、川堤の桜並木など、古木が多い場所に多い。

食草:シリアゲアリなどと共棲し、アリから口移しで養分を与えられて成長する。。

 特異な生態を持った種。幼虫はアリから養分を与えられて成長する。幼虫はアリに蜜を出して与え、アリは外敵から幼虫を守っているようだ。他の蝶の幼虫のように、植物食は必要としない。
 シリアゲアリは古木に営巣するアリで、古くからある社寺などの守られた境内などの古木に多く見られるアリだ。そのため、アリが営巣できる環境がなくなると、この種もいなくなってしまう。分布は東北地方から中国地方までだが、そのような環境にしかいない種のため、きわめて局地的な分布になっている。
 1本の発生木で羽化する成虫はそれなりの頭数になるはずで、全ての個体がそこで交尾、産卵することは考えられない。特殊な環境に棲息している種の移動性はかなり大きいはずで、人知れず山中の古木で発生している個体群は思ったより多いのかもしれない。