国産蝶類標本写真館

キタアカシジミ(カシワアカシジミ) 

Japonica onoi

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北海道産 ♂表面
北海道産 ♀裏面
北海道産 ♀表面
北海道産 ♀裏面
 
分布:北海道、本州(東北地方、中国地方)。

生態:6〜7月に出現する。成虫の活動は緩慢。夕方活動することが多いが、アカシジミのような目立った黄昏飛翔ではないようだ。産卵はカシワの一年枝に数卵まとめて産卵し,体毛やゴミなどをなすりつけて卵を隠すが,卵を隠す動作が雑であるため,むき出しになっている卵塊も多い

食草:カシワ。

 かなり以前から北海道から東北北部のカシワ林に生息するアカシジミと、コナラ林やミズナラ林に生息するアカシジミの交尾器に明確な違いがあることが指摘されていた。
 その後の研究により成虫は翅裏面の横脈紋と中央帯の両側を縁取る淡色細線は銀白色に輝かず,黄色味を帯び、終齢幼虫では,腹節気門部には褐色斑があることなどで区別できることなどから別種として記載された。成虫は外見からは区別できない個体も多く、判別には注意が必要。
 
 その後の調査の結果、飛び離れた中国地方の冠高原のカシワ林にも局地的に分布することがわかった。冠高原のキタアカシジミは冠高原亜種とされるが研究者によっては別種のミナミアカシジミとして取り扱われることも多い。