国産蝶類標本写真館

リンゴシジミ 

Strymonidia pruni

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北海道産♂ 表面 
 
北海道産♂ 裏面
 
分布:北海道(中央部から道東)。

生態:低地では6月中旬から下旬、山地では6月下旬から7月上旬に出現する。成虫は渓流沿いの樹林周辺や耕作地の境界、水路周辺などに棲息し、アマニュウ、ハナウドなどの白色の花で吸蜜する。夕方活発に活動する。

食草:バラ科のエゾノウワミズザクラ、スモモ、シウリザクラ。

 北海道のみに分布するカラスシジミの仲間。北海道特産の蝶のなかでも小型で目に付かないためか、かなり見つけにくい。植えられたスモモに発生している個体が探しやすいが、本来は野生のエゾノウワミズザクラで発生する。
 学生の時にアルバイトをしていた北海道の牧場は、今から思えば抜群の環境だったと思う。1970年代のまだ各種の昆虫が身近に見られた時代だ。リンゴシジミもそのときに初めて見た。牧場の周辺は手付かずの林が残っていたが、牧場入り口の近くにスモモが数本植えてあった。その木の周囲にちらちらと飛ぶ蝶の姿があったが、それがリンゴシジミだった。時期が遅く、綺麗な個体はいなかったが、数頭の個体を採集した。標本を見るとそのときの光景が目に浮かぶ。