国産蝶類標本写真館

オオムラサキ 

Sasakia charonda

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山梨県産♂ 表面
山梨県産♂ 裏面
山梨県産♀ 表面
山梨県産♀ 裏面

分布:北海道、本州、四国、九州

生態:年一回の発生。暖地では6月中旬から、寒冷地では7月上旬から現れる。成虫は人家周辺の雑木林に多く、クヌギ、コナラやニレなどの樹液で吸蜜する。飛翔は敏速で、♂は夕方に活動の中心があり、梢上を占有する。

食草:エノキ、エゾエノキ

 日本の国蝶で、1957年に指定されている。北海道の分布は札幌周辺のみで、九州は小林市以北に分布している。寒冷地の個体は小型。
 大型の蝶だが、飛翔は敏速で力強い。適度に管理された、やや規模の大きな雑木林を好んで生息する傾向が強い。過去には都内にも分布していて、練馬区などでは1960年代まで記録がある。
 クヌギやコナラといった広葉樹の樹液に集まるが気性は荒く、樹液に集まるゴマダラチョウなどの蝶や、スズメバチなど他の昆虫を羽で蹴散らしながら樹液を吸う。また、飛翔力が強く、近くを飛翔するときは羽ばたきの音が聞こえる。力強くはばたき、滑空しながら雄大に飛翔する。占有飛翔は午後に行われることが多く、西日を浴びて高い樹冠を活発に飛び回る姿を見かける。時にスズメを追飛することもある。