国産オトシブミ標本写真館

ハイイロチョッキリ
Cyllorynchites (Cyllorynchites) ursulus

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分布:
本州,四国,九州

ホスト:コナラ,クヌギ,アベマキ,アラカシ

体長:6.3〜8.0mm

生態:年1回、秋に出現する。8月下旬から9月中旬にかけてコナラの実に産卵する。クヌギ,アベマキも利用するが多くはない。10月に入るとアラカシを利用することもある。まだ完全に熟さない実を慎重に調べ,手前の枝に切り目を入れる。殻斗(帽子)と堅果との境界付近の殻斗の上から錐もみするように体を動かして吻の長さいっぱいまで穿孔し,反転して長さ1mm径0.5mmくらいの卵を1つ産み付ける。卵は吻を使って孔の奥,堅果表皮から2-3mm子葉の内部に入ったところに押し込む。枝の切れ目をさらに切って切り落とす。1枝に2-3個実が着いている場合は全ての実に産卵してから切り落とす。卵は4-6日で孵化し,幼虫は子葉の中心部に食い入ってから周辺部を食べる。3-4週間で成熟し、実に穴をあけ脱出し土中で越冬し,翌年5月中旬から6月にかけて蛹化・羽化する。夏まで地下で過ごすものと思われる。新成虫は膨らみ始めたドングリを後食する。公園などの天敵の少ないところではほとんどの実が産卵されることもある。コナラシギゾウムシ,クヌギシギゾウムシもドングリに産卵するが切り落とすことはない。

♀ 山形県産