国産セミ標本写真館

ヒグラシ 

Tanna japonensis

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左♂ 千葉県産 右♀ 静岡県産

分布:北海道、本州、四国、九州、奄美大島以北の南西諸島

全長:♂46〜48mm、♀47〜48mm前後

生態:6月下旬から9月中旬まで見られる。広葉樹やスギなどの薄暗い林内に棲息していて、朝夕のうす暗い時間帯を中心に鳴く。北海道から九州北部では平地から山地まで見られるが、九州南部以南ではやや標高の高い山地に生息する。
 俳句では秋の季語とされ、晩夏に鳴くセミのイメージがあるが、実際には梅雨の最中の6月下旬頃から発生し、ニイニイゼミと同じように他のセミより早く鳴き始める。

 鳴き声は「カナカナカナ」、一頭が鳴き出すと近くの個体も後を追うように唱和する傾向がある。鳴き方自身は単純だが、やや物悲しく清涼感を与えるきわめて美しい声。
 山から降りてくるとちょうど夕暮れになる。日が翳り始め、涼しい風が吹いてくるころ、風呂上りにこのセミの声を聞くのは最高の気分だ。