国産セミ標本写真館

ミンミンゼミ 

Hyalessa maculaticollis

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左♂ 右♀ ともに東京都産

分布:北海道、本州、四国、九州、対馬、甑島列島

全長:♂♀ともに57〜64mm前後

生態:7月中旬から現れ、9月中旬頃まで見られる。関東では平地から低山地で最も普通に見られるセミ。北海道の分布は局地的で南部のみの分布、中部以西では山地性となる。

 私は子供のころ東京の練馬に住んでいた。住まいのそばに中学校があり、校舎の裏手は林になっていて夏は良くセミ採りに行った。採集出来るセミはニイニイゼミ、アブラゼミ、ツクツクボウシなどで、ヒグラシは年に数回声を聞く程度だった。ミンミンゼミは全く見ることができず、子供のころには身近なセミではなかった。
 葛飾や江戸川でも同様で、ミンミンゼミは全くいなかった。しかし、都心部には普通にいたようで、都心部の山手線の内側ではミンミンゼミは普通のセミだった。やや傾斜地で乾燥した土壌を幼虫が好むため、都心部の環境は棲息にはあっていたようだ。近年は従来見られなかった地域でも声を聞くが、新しくできた公園や街路樹の植栽にまぎれて幼虫が移動してきたもので自然分布ではない。
 セミは翅があって遠くまで飛べそうだが、長距離を飛翔する能力はなく、また、生息地を遠く離れることはなく、仲間の声がする方向に飛んでいく傾向が強い。