国産セミ標本写真館

ニイニイゼミ 

Platypleura kaempferi

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左 ♂ 右 ♀ ともに奄美大島産
左 ♂ 右 ♀ ともに千葉県産

分布:北海道、本州、四国、九州、奄美諸島、沖縄本島(喜界島、沖永良部島、与論島を除く)

全長:♂33〜35mm、♀34〜38mm

生態:6月下旬から7月上旬に現れ、8月中旬頃まで見られる。ほとんどの地域で最も普通にいる小型のセミ。国内では北海道から沖縄本島にかけて分布しているが、本土産と沖縄産では鳴き方、音のピッチに違いがある。明け方に明るくなるとともに鳴きはじめ、夕暮れまで断続的に鳴く。

 東京の都心部では1960年頃までは多かったがその後徐々に減少していった。近年は個体数が回復しているようで、都心部でも鳴き声を聞くことが多くなった。東京の周辺部の田園地帯の雑木林には昔から現在に至るまで、最も普通に見られるセミ。
 平野から丘陵地の明るい雑木林を好み、都市部の緑地などでも見られる。幼虫は湿気を多く含んだ土壌を好み、乾燥する公園などでは数が少ない。成虫はサクラの木を好み、時に群れをなしてとまることもある。木の上を歩行し、鳴いているときは腹部を伸び縮みさせる。
 体の灰褐色と翅の模様は樹皮に溶け込む保護色となっていて、木のこぶのように見える。その木で鳴いているのがわかっていても、姿を探すのは難しくコツが必要。