国産甲虫標本写真館

クロシデムシ

Nicrophorus concolor Kraatz, 1877

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千葉県市原市産 左♂ 右♀

各地のクロシデムシ
上段左から 北海道夕張郡 千葉県市原市
下段左から 徳島県三好郡 熊本県阿蘇郡 長崎県五島列島中通島
大きな変異は無い様だ
 

クロシデムシの雌雄判別方法
左前符節の比較。左が♂、♂の方が外方に盤状に膨大する。

分布:北海道、本州、佐渡、四国、九州、対馬、屋久島

体長:25〜40mm

雌雄の区別:♂の前符節は♀に比べ外方に盤状に膨大する

生態:国産のシデムシの最大種。北海道から九州まで広く分布し、平地から山地の林床に生息する。比較的自然が豊かで哺乳類が多い地域に多い。
 以前は里山近くの二次林にはあまり見られなかったが、近年では里山的な二次林の環境でも普通に見られるようになった地域が多い。

 他のシデムシ同様に肉食性で、動物の死体に集まり、夜間灯火にも飛来する。
 死体の肉を肉団子状に加工したものを土に埋め産卵し、幼虫はその死肉を食べて育つ。大型種だが他の肉食性の昆虫同様、幼虫期間はきわめて短い。

 餌環境が豊富な場所では大型の個体が多く、餌環境が貧弱な環境では小型の個体が多い。
 広域分布種だが、地域による変異はほとんどないようだ。