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防虫方法 

 クワガタに産卵させるために容器の中に材をマットに埋めてセットする種が多いと思う。中にはマットだけで産卵する種もいるが、産卵させるために産卵木を入れることが一般的だ。ところが産卵木に産卵した跡があっても幼虫がほとんど出てこない場合があり、幼虫の代わりに細長い茶色いコメツキの幼虫が出てくることがある。コメツキの幼虫は肉食性で、産卵木の中で孵化した幼虫を食べて成長する。産卵木の中にコメツキの幼虫がいると、せっかく産卵し孵化した幼虫も多くが食べられてしまう。産卵木を割ってみて中から出てきたのが大きく育ったコメツキの幼虫だったという経験をお持ちの方も多いことだろう。
 また、ヘラクレスなどのカブトムシはマットの中に産卵し、孵化した幼虫はマット内で成長するが、産卵された卵に大型のダニがついていて卵がしぼんでしまったという経験はないだろうか。小型のダニは卵や幼虫に悪影響を与えることは少ないが、小型のダニをそのままにして置くと、大型の肉食性のダニが発生する。大型のダニには卵を食べたり、幼虫につき体液を吸うものもあり、蛹化時の体が柔らかいときには集団で蛹について殺してしまう。
 自然界にはカブトムシやクワガタには天敵や病気などがあり個体数が調整されている。しかし、飼育している個体は飼育上の問題がなければ9割以上が羽化してくる。コメツキやダニに卵や幼虫が食べられないようにするために、色々な方法で防虫している方もいらっしゃると思いますが、ここでは家庭で比較的簡単にできて効果が高い方法を紹介します。
 
 材を使用するときに水につけてから使用することが多いが、材を水につけたくらいではコメツキの幼虫は死ぬことはない。また、乾燥にも大変強く、からからの状態でも元気に生きている。食べるエサがなくても長期間生きていられるなかなかしぶとい昆虫だ。良く紹介されている方法は電子レンジを使う方法だが、電子レンジで加熱してしまうとマットや材の中の有用な菌類、バクテリアまで殺してしまうことになる。材やマットの中では菌糸やバクテリアなどが複雑に関係しあって、安定した状態になっている。この状態を崩すと特定の菌糸がはびこったり、カビが発生したりする。特にカビに対する耐性が大幅に低下するため、各種のカビが発生しやすくなる。材は成虫の活動によってカビの発生が抑えられるが、マットは空間が大きくカビの発生を抑えられない。そのため、マットの中に産卵するカブトムシやコガネムシの中で、カビの耐性が低い種類はカビの菌糸にまかれて死んでしまう。そのため、ここでは電子レンジを使わない防虫方法を紹介していくことにする。

 防虫するためには今まで書いてきたように、有用な菌糸やバクテリアは殺さずに残し、有害なコメツキなどの昆虫や肉食性のダニだけを殺す必要がある。電子レンジを使うのは全ての菌糸やバクテリアが死んでしまうため使用してはいけない。特定のダニやコメツキなどの昆虫だけを殺すのは難しいため、菌糸やバクテリアが残る方法を考えなければならない。では有用な菌糸やバクテリアはどうすれば残るのだろうか。現在のところ方法は二つ考えられる。一つは温度を60度まで上げることだが、これは設備がないと難しい。60度までならば有用なバクテリアは残るため材やマットの質に変化を与えない。設備がある方はこの方法が簡単だ。もう一つの方法は密閉した容器に入れて、容器の中を真空にするか酸素を抜いてしまうことだ。酸素を抜くというと難しく聞こえるかもしれないが、容器の中の酸素を使ってしまえばいい。簡単な方法は使い捨てカイロを使う方法で、マットの場合は厚手のビニール袋にマットを入れて、中の空気をなるべく抜いた状態にしてから中に使い捨てカイロを入れて一週間ほど放置する。材の場合はこの方法だとコメツキの幼虫などに穴を開けられてしまうため、大きめのタッパーなどの密閉できる容器を使用する。ホームセンターなどに行けば色々な大きさの容器がある。この方法だとバクテリアや菌糸は休眠状態になり、酸素がある状態にすると再び活動を始める。大型のダニやコメツキの幼虫は酸欠で死亡する。ちゃんと酸素がなくなっていたかを確かめる方法は、密閉した容器を開けて使い捨てカイロを取り出した際に、使い捨てカイロが再び熱を持つか確かめてみれば良い。最初にひと手間かかることになるが、産卵木を割ってみたらコメツキの幼虫が出てきたり、ヘラクレスの卵に大きなダニがついていることもなくなる。簡単な方法なので、一度お試しください。


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