ハチジョウコクワガタ
Dorcus rectus miekoae



本土に分布するコクワガタの亜種で、八丈島に分布する。夏季の活動期には樹液や灯火に飛来するが、本土のコクワガタと比べると個体数が多い種ではない。
活動期間はコクワガタと同様に長めで、初夏から秋まで見られる。トラップをかけると見られる事があるが、トラップの採集例は少ない。幼虫は林内などの朽ち木に入っていて、成虫採集より幼虫採集の方が採集できるが、数は少ない。
飼育は本土のコクワガタと同様で、飼育下ではコクワガタと同様に産卵数も多いし、飼育は容易だ。生息地ではチビクワガタが多いために、個体数が少ないのかもしれない。飼育方法はこちら(
飼育方法コクワガタ)を参照してください。
八丈島は東京から南に287km離れた伊豆諸島南部の島。地質学者によれば一度水没しているらしいが、植物学者や生物学者は水没は考えられないと主張している。八丈島から南にある島は小笠原諸島、南西諸島になるが、この地域の生物相は全く違う。クワガタの分布から見れば現在の地形、気候で分布を広げることはできないノコギリクワガタが分布しているため、水没しなかったと考える方が自然。伊豆半島から陸続きの時代に進入したコクワガタが地殻変動により切り離された八丈島に残り、亜種に進化したと言ったところだろうか。伊豆諸島はミクラミヤマクワガタも一部に分布していることや、ノコギリクワガタが少しずつ形態を変えながら各島に分布していることから、一部の島は水没せずに生き残ったクワガタもいて、現在の分布の形になっていると考えられる。
ハチジョウコクワガタは飛ばないハチジョウノコギリクワガタ、ハチジョウヒラタクワガタと共に八丈島に分布している。ハチジョウコクワガタだけはクワガタの中では飛べるクワガタで、たまに灯火にも飛来する。個体数はコクワガタとしてはかなり少なく、本土のコクワガタのように多産する亜種ではない。八丈島のクワガタは樹液に集まる種類がほとんど見られず変わった島だ。ハチジョウコクワガタの生態は本土のコクワガタとほとんど一緒だが、この亜種も樹液にはあまり集まらない。樹液が無くても生活できるように進化した種類が多いようで、進化の過程で本土のクワガタとは違う環境に置かれたようだ。本土のコクワガタと形態で違う点は足が長いことで、樹上生活に適した体型になっている。ハチジョウコクワガタの生活の場は樹上で、樹皮をかじって樹液を吸っている。
八丈島で多産するクワガタはチビクワガタだが、チビクワガタは肉食性が強い。幼虫が生活する朽ち木にはチビクワガタが見られることが多いため、個体数が少ないのはチビクワガタとの競争に負けているためと思われる。本州西部でもチビクワガタは見られるが、おそらく八丈島にはチビクワガタの天敵がいないか少ない関係でチビクワガタが多産すると思う。そのためハチジョウコクワガタの幼虫もチビクワガタに補食されている物も多いはずだ。
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