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ヤエヤマコクワガタ
Dorcus amamianus yaeyamaensis 

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 リュウキュウコクワガタの亜種で、西表島に分布する。今までに採集された個体は2♂1♀だけで、個体数は極端に少ない。灯火に飛来した個体だけが知られていて、樹液やトラップで採集されたことはない。採集された♀を飼育した記録があるが、飼育下の生態は他のリュウキュウコクワガタと同じ様だ。 


 八重山諸島は石垣島や西表島など12の有人島と6つの無人島で八重山諸島を構成している。東京から南西へ約2,100km、沖縄本島から約460km、中国大陸との距離は約440km、台湾へは約200kmと近く、台北より南になる。西表島は周囲130kmと結構大きな島だ。沖縄県の島では沖縄本島に次いで大きな島になる。島の面積の約90%が山岳地帯でジャングルであり、島の大きさの割に人口は約1,900名と少ない。
 西表島は、古くは所乃島(そないじま)、古見島(こみじま)などと呼ばれていた。西表島と呼ばれ始めたのは18世紀になってからのことである。島にいつ頃から人が住み始めたのかは定かではないが8〜9世紀には既に集落が作られていたらしい。1609年に薩摩藩が琉球を征服後、人頭(じんとう)税と寄人(よせびと)制度による強制移住、そして猛威をふるったマラリアにより多くの村々が廃村へと追いやられた。西表島の集落は、建設と廃村を繰り返してきたが、廃村の原因の多くはマラリヤであった。マラリヤが最も猛威を振るったのは1945年(昭和20年)、八重山諸島の人口の51%が患者となり、死者は約3,600人で第二次世界大戦での死亡者数を上回った。このマラリヤが米軍の手により根絶されたのは1962年(昭和37年)になってからのことである。マラリヤの撲滅やイリオモテヤマネコの発見以降は、島の東西を結ぶ北岸道路の開通や港湾整備などが行なわれ島を訪れる観光客も年々増えている。
 ヤエヤマコクワガタはそんな西表島に分布する幻のクワガタだ。採集された個体数はわずか2♂1♀。この種を狙って何人もの方が西表島に入ったが、採集はできなかった。今までに採集された個体は全て灯火に飛来した個体のみで、本来の生態は全くわかっていない。唯一採集された♀から幼虫が採れている。幼虫が採れたと言うことは交尾済みと言うことで、確実に♂はもう一頭いたと言うことで、本来の生息域は違う場所にあるはずだ。他の地域に分布するリュウキュウコクワガタの生態から推測すると、やや山よりの地域で樹上生活をしていて、あまり活発に活動するタイプではなく、樹液にはほとんど来ない。幼虫は沢沿いなどの朽ち木にいるはずだが、生息地は局地的で好む環境が限定されるタイプだろう。成虫がいる木も1種類か2種類に限定されるはずで、他の地域のクワガタから推測するとタブ、アカメガシワ、カラスザンショウ、クサギあたりだろうが、これらの木は集中して探されているはずなのでもっと意外な木なのかもしれない。生態がわかればある程度の個体数が見つかるはずだが、未だにほとんど採集されていないのは普通の探し方が通用しないと言うこと。幼虫が採れないのも不思議なクワガタで、幼虫は朽ち木以外に考えられない。成虫は森林内の大木高所に生活圏があるのかもしれない。西表島に行く機会があったら、ぜひとも探してみてください。そんなクワガタなので、画像はありません。悪しからず。



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