オキナワノコギリクワガタ
Prosopocoilus dissimilis okinawanus
分布：沖縄本島、伊平屋島、小宇利島
形態：♂♀共に赤褐色〜黒色。赤褐色でやや光沢のある個体が多く、黒化型は少ない。♂の大アゴはあまり湾曲せず、第一内歯と第二内歯の位置は離れている。大型の♂で70mm程度になるが、野外では60mm以上の大型個体は少ない。
生態：夜行性で各種の樹液に集まる。発生期は盛夏で、樹液や灯火で見られる。トラップにも集まり、ミカンの樹液にも多くの個体が集まる。
幼虫はノコギリクワガタと同様に湿度が高い地中部の朽ち木で見られる。新成虫は夏から秋に羽化し、そのまま翌年の初夏まで越冬するが、初夏までに羽化した個体はその年に活動する個体もいるようだ。中型から小型の♂や♀の幼虫期間は１年の個体が多いが、大型の♂個体の幼虫期間は２年になることが多い。 高温と乾燥に注意すれば飼育は簡単で、飼育で大型個体を羽化させることも比較的簡単だ。飼育方法はこちら（
飼育方法リュウキュウノコギリクワガタ）を参考にしてください。
沖縄本島とその周辺に分布するリュウキュウノコギリクワガタの仲間。沖縄本島は日本の離島で一番大きな島で、早い時期に大陸から切り離されたせいか特産種も多数知られている。沖縄本島南部は太平洋戦争の激戦地で、地形が変わるほど艦砲射撃を受けたせいか、ほとんど自然林は残っていない。沖縄本島北部は貴重な自然が残る地域で、生物相は豊富だ。ヤンバルテナガコガネを初めとした特産種のほとんどは、沖縄本島北部の森林地域に分布している。大きな島で人口も多いため、空路、航路ともに発達していて、各地から直行便が出ている。空路の場合は数時間で沖縄本島に着くことができる。沖縄本島の周りには多数の島が点在しているが、有人島には定期船があるし、一部の島は橋で沖縄本島とつながっている。沖縄本島、周辺の島ともに一部の島を除いてアクセスは悪くない。
オキナワノコギリクワガタは沖縄本島と周辺のいくつかの離島に分布が知られている。沖縄本島南部は二次林、沖縄本島北部は自然林が中心となるが、ほとんどの地域に分布していて個体数も多い。活動期は６月から８月で、最盛期は梅雨明け直後から７月上中旬くらい。この時期には樹液や灯火に多数の個体が飛来する。近くに分布しているオキノエラブノコギリクワガタやクメジマノコギリクワガタよりやや大きめで、オキノエラブノコギリクワガタを大きくしてくすんだ色にした感じがする。シイなどの樹液でもある程度の個体数は見られるが、オキナワノコギリクワガタはミカンの樹液に良く来ている。自然林近くにミカン畑があったら探してみると良いだろう。ただし、持ち主に断ってから探すこと。沖縄本島のミカン畑は背丈が低く、はいつくばらないとミカン畑に入れないので、目の前にハブがいたら・・・。クワガタ採集で三途の川は渡りたくない方は入らない方が無難かも。誰かを先に行かせて人柱・・・。最大の個体で70mm程度になるが、65mm以上はほとんど見ることができない。
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