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ノコギリクワガタの世界

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ノコギリクワガタの分布

  国内に分布するノコギリクワガタの種類は、ノコギリクワガタ、ハチジョウノコギリクワガタ、リュウキュウノコギリクワガタ、ヤエヤマノコギリクワガタに分けられている。また、ノコギリクワガタは4亜種に、リュウキュウノコギリクワガタは6亜種に分けられている。ノコギリクワガタは同じ地域に2種類が分布することはない。
 ヤエヤマノコギリクワガタは他のノコギリクワガタと比べると少なく、発生期間も短いため採集しにくいが、それ以外の種、亜種は生息地では普通に見られる事が多く、夏季の樹液に集まる昆虫の中でも普通に見られる種になる。
 ♂は大型になると大きく湾曲した大顎を持ち人気がある。初夏から盛夏の5〜8月に見られ、発生初期にはあまり太くない木の枝先についていて、♂♀で樹液を吸っていることが多い。発生中期から後期にかけて活発に飛翔して、樹液や灯火でよく見られるようになる。
 産卵は地中に埋まった朽ち木や立ち枯れの根元など、湿度が高い部分に産卵されることが多く、幼虫もその付近の朽ち木中に見られる。幼虫期間は1〜3年で、初夏までに羽化した新成虫は晩夏に蛹室を脱出し活動する。晩夏から秋に羽化した新成虫は、翌年の活動期まで休眠する。幼虫期間や新成虫が活動するまでの期間は、生息する地域によって大きく異なる。


ノコギリクワガタ 
ノコギリクワガタ
ミシマイオウノコギリクワガタ
クチノエラブノコギリクワガタ
クロシマノコギリクワガタ

ハチジョウノコギリクワガタ
ハチジョウノコギリクワガタ

リュウキュウノコギリクワガタ
トカラノコギリクワガタ
アマミノコギリクワガタ
トクノシマノコギリクワガタ
オキノエラブノコギリクワガタ
オキナワノコギリクワガタ
クメジマノコギリクワガタ
 
ヤエヤマノコギリクワガタ
ヤエヤマノコギリクワガタ


参考資料
タカサゴノコギリクワガタ

                  ノコギリクワガタ分布図

種類別解説



ノコギリクワガタ

 夏に樹液でよく見られる種で、お馴染みの種だ。九州南部離島のノコギリクワガタは亜種に分けられている個体群もある。九州南部の離島に分布する亜種は、体色や大顎に安定した特徴がある。伊豆諸島産や対馬産はノコギリクワガタの原亜種に含まれているが、やや違った特徴を持っているようだ。
 成虫は夏に樹液で見られるが、早い時期はヤナギなどの枝先に付いていて、雌雄で枝をかじって樹液を吸っている。活発に活動するのは6月以降で、その頃になると灯火にも良く飛来する。幼虫は湿度が高めの地中などに埋もれた朽ち木に入っていることが多い。地上部の朽ち木にはほとんど見られないため採集しにくいが、枯れた切り株などの根元には良く入っている。晩夏に羽化した新成虫は、そのまま蛹室で翌年の初夏まで休眠する。早めに羽化した個体や、小型の個体は晩夏に蛹室を脱出し、活動する個体もある。
 都市部でも個体数が多い種で、数本しか木がないような公園にも見られることがある。

Prosopocoilus inclinatus inclinatus ノコギリクワガタ 北海道、本州、四国、九州、佐渡、伊豆諸島(八丈島除く)、隠岐、壱岐、対馬、五島列島、種子島、屋久島、甑島
Prosopocoilus inclinatus mishimaiouensis  ミシマイオウノコギリクワガタ 硫黄島
Prosopocoilus inclinatus kuchinoerabuensis クチノエラブノコギリクワガタ 口永良部島
Prosopocoilus inclinatus kuroshimaensis クロシマノコギリクワガタ 黒島


ハチジョウノコギリクワガタ

 八丈島に分布する種で、本土産や伊豆諸島北部産の個体とは明らかに異なった特徴を持っている。体色は黒い個体がほとんどで、赤みがかかる個体はまれだ。大顎は体型が大きくなっても短く、ノコギリクワガタのような大歯系は数頭しか知られていない。また、ほとんど飛翔はしないようで、移動は歩行が主体となる。
 ノコギリクワガタとしては活動時期が早く、5月から6月が最盛期になる。幼虫は地中の朽ち木などを食べていて、晩夏に羽化した新成虫は越冬後に活動する。ハチジョウノコギリクワガタは飼育個体でも、羽化した当年に活動する個体はほとんどいない。

Prosopocoilus hachijoensis ハチジョウノコギリクワガタ 八丈島


リュウキュウノコギリクワガタ

 南西諸島のトカラ列島以南に分布する種で、ほとんどの生息地で個体数は多い。各亜種によって安定した特徴を持っていて、アマミノコギリクワガタが一番大型になる。トカラノコギリクワガタとオキノエラブノコギリクワガタは明るい体色をしていて、日中活動する個体が多い。
 幼虫はノコギリクワガタと同様に、湿度が高い朽ち木で見られる。また、枯れ木の根元にたまったフレーク中にもよく見られる。夏に羽化した新成虫は、翌年の初夏に活動する個体と、その年に活動する個体がいるようだ。大型の個体は、翌年まで休眠する個体が多い。

Prosopocoilus dissimilis dissimills アマミノコギリクワガタ 奄美大島、加計呂麻島、請島
Prosopocoilus dissimilis elegans トカラノコギリクワガタ 口之島、中之島、諏訪瀬島、悪石島、臥蛇島
Prosopocoilus dissimilis makinoi トクノシマノコギリクワガタ 徳之島
Prosopocoilus dissimilis okinoerabuanus オキノエラブノコギリクワガタ 沖永良部島
Prosopocoilus dissimilis okinawanus オキナワノコギリクワガタ 沖縄本島、伊平屋島、小宇利島
Prosopocoilus dissimilis kumezimaensis クメジマノコギリクワガタ 久米島


ヤエヤマノコギリクワガタ

 石垣島、西表島だけに分布する種で、他の島のノコギリクワガタのように多産することはない。活動期は夏の早い時期と、夏の終わりにピークがあるようだ。
 成虫はアカメガシワなどの樹液に来るが、枝先をかじっている個体もよく見られる。灯火にも飛来するが♀が多い。日本のノコギリクワガタの仲間では、一番採集しにくい種類になるだろうか。

Prosopocoilus pseudodissimilis ヤエヤマノコギリクワガタ 石垣島、西表島


タカサゴノコギリクワガタ


 台湾に分布する種で、ヤエヤマノコギリクワガタの近縁種。以前はヤエヤマノコギリクワガタと同種とされていた。ヤエヤマノコギリクワガタより大顎は太く、内歯の基部よりと中央先端よりに2本、その間や先端にかけては小歯を有する。
 日本本土のノコギリクワガタのように多産する種ではなく、場所によりやや普通に見られる程度。生態はヤエヤマノコギリクワガタに近いようで、灯火で採集されることが多い。

Prosopocoilus motschulsii タカサゴノコギリクワガタ 台湾


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