外国産コガネムシ飼育方法
ゴライアスオオツノハナムグリ

飼育難易度 |
★★★★★ |
★やさしい〜★★★★★難しい |
飼育のポイント |
繭を作ったらマットは乾燥させる。 |
成虫の飼育 |
転倒すると弱るので、起き上がれるように足がかりを入れる。 |
成虫飼育温度 |
25度前後、乾燥には強いが、低温、蒸れには弱い。 |
成虫の寿命 |
活動開始後6〜10月。 |
産卵部位 |
マット内。 |
ペアリング |
雌雄同居で問題ない。雌単独で産卵させる場合は定期的に交尾させる。 |
産卵数 |
30〜70卵。 |
幼虫飼育 |
マットはカブト用マットでいいが、肉食性が強いためドッグフードなども与える。 |
幼虫の管理温度 |
できれば夏季25〜30度、冬季は20度を切らないように、蛹化時は25度以上。 |
幼虫飼育容器 |
大型の個体で1〜.1.5リットル。 |
幼虫期間 |
与えるエサによりバラツキが多い。1年程度が多い。 |
蛹化時の注意 |
繭を作りはじめたらマットを乾燥させる。過湿では死亡するか羽化不全になる。 |
羽化後活動までの期間 |
羽化後3月程度で蛹室を脱出する。 |
活動開始後、産卵までの期間 |
活動開始後すぐに交尾、産卵可能となる。 |
成虫の入手
ゴライアスオオツノハナムグリはゴライアス、シラフ、レギウス、カタモンと数種がアフリカに分布している。世界一重いコガネムシとして有名な種類だ。カタモンの飼育経験はないが、ゴライアス、シラフ、レギウスは同じ飼育方法で成長するためまとめて紹介します。
野外産のゴライアスは非常に大型になり、100mmを超える個体もいる。飼育では大きくなっても60〜70mm程度までしかいかないが、野外産のような大型の個体を羽化させるのは非常に難しい。野外産の個体は定期的に輸入されているが、安定して入荷する種ではない。また、ゴライアス、シラフはたまに見かけるが、レギウス、カタモンはほとんど入荷しない。飼育をしている方もいるが、難易度が高い種のため多数の個体が出回ることはない。コツがつかめれば大型の個体は難しいが、成虫を羽化させることはできるので、機会があればアフリカの有名で巨大なゴライアスの飼育に挑戦していただきたい。野外産はシーズンに少数入荷することがあるため、信頼できる専門店や通販店に問い合わせてみると良い。幼虫も初令や2令までならば入手できることがある。終令幼虫は飼育方法を知らないと育たないため、入手は難しいかもしれない。
産卵セット
成虫は活動を開始すれば交尾、産卵が可能となっている。雄は雌を攻撃することはないため、雌雄同居で問題ない。交尾回数が多いほうが産卵数が多いようで、特別な理由がなければ最後まで雌雄同居で飼育したほうが良い。
産卵用の容器は深めの容器がよく、プラケースの大か特大もしくは衣装ケースでもかまわない。マットは発酵が進んだ黒くなったマットを使用する。マットの粒子は細かいほうが産卵数が多いため、ミキサー等で細かくしてから使用する。クワガタが食べたマットでも良いが、ミキサーで細かくして、防虫処理したマットを使用する。水分はアフリカ産のコガネムシより少し多めにする。マットを固く握ったときに中心は残るが、周辺部はバラける程度にする。マットを容器の底の部分は硬く押し固め、中層はやや固め、上層は緩めにセットする。マットの表面には成虫が転倒しても起き上がれるように、木片や樹皮とエサ台を置いておく。容器の通気は良くしておき、マットの表面は常に乾いている状態がいい。
野外産の場合によくあるが、ゴライアスの場合は産卵する時期としない時期があるようで、しばらく産卵しなかった雌がある程度時間がたつと産卵し始めることがある。このような場合は数ヶ月産卵しないこともあるため、エサを切らさないようにして雌を十分休ませる。
ゴライアスは卵を回収すると孵化率が落ちることが多いため、卵が孵化してから幼虫を回収する。産卵セットが1月ほどたったら、同じ産卵セットをもう一つ作り雄雌を入れ替える。産卵セットはそのまま1月保管し、幼虫を回収する。産卵されていない場合は全く幼虫がいないが、幼虫がいる場合はマットの表面に初令幼虫が出てきた穴が開いている。マットを大型のケースに空け、少しずつ崩しながら幼虫を回収していく。このときに卵が出て来るようだったらプリンカップなどにマットを少し入れ、回収した卵をマットの表面に置き卵の上に少しマットをかけておくとほとんどの場合孵化する。
幼虫飼育
ここからがゴライアスの手間のかかる幼虫飼育の始まりだ。産卵された卵は1月弱で孵化する。孵化当初の幼虫は1cm弱程度の大きさだが、体が固まると活発にマット内を移動する。回収した幼虫は小型の容器でもかまわないが、産卵セットに使ったマットを深さ1cm位入れて、幼虫をその中に入れる。そしてマットの中にドッグフードやビーフジャーキーなどを入れてやる。マットが多すぎるとドッグフードなどにうまく食いつかないため、マットは少量でかまわない。ドッグフードは水分が多いとカビが生えやすいためマットの水分は乾き気味にする。
ドッグフードは最初のうちは少なめにして、1〜2日で食べきれる量にする。幼虫はドッグフードなどにうまく食いつくと、日増しに大きくなり3週間ほどで2令になる。ドッグフードなどは2〜3日ごとに与え、食べ残しは捨てて容器の中を常にきれいにしておく。数日間ドッグフードなどを食べなくなる時期があるが、しばらくすると加令している。2令になると食べる量も増えるため、幼虫に与えるドッグフードなどの量を多くする。やはり2〜3日ごとに容器を確認し、エサの補充と食べ残しのエサを掃除する。2令の期間も3週間ほどで終令に加令する。
終令になると食べるドッグフードの量は飛躍的に多くなり、粒状のドッグフードだと1日で2〜3個食べてしまう。これからしばらくに時期はドッグフードなどのエサを切らさないように、毎日確認してエサの補充と食べ残しの掃除を行う。食べ残しが多くマットが湿っている状態だと、ダニが発生することが多い。発生するダニにはいくつかの種類があり、幼虫の体につく小さいピンク色のダニはあまり害はないようだ。このダニが多い場合は幼虫を柔らかい歯ブラシで洗ってやり、新しいマットに入れ替えてやれば数日でいなくなることが多い。厄介なのは大型の丸っこいダニで、このダニは捕食性のダニのため幼虫が体液を吸われたり、蛹化時に繭の中で多く繁殖して蛹を食べてしまう。大型のダニがいた場合には柔らかい歯ブラシで洗い、体にダニがついていないことを確認してから新しいマットに入れ替える。
マットは産卵セットに使用したマットでかまわないが、カブトムシ用のマットでもかまわない。マットは多くいれる必要はなく、幼虫の体が隠れる程度の浅い状態でかまわない。
順調に成長した幼虫は孵化から1年月程たつと蛹化の時期を迎える。蛹化の時期は飼育状況によりかなりばらつきがある。ヨーロッパの文献には半年で蛹化すると書いてあったものもあったような気がする。エサの状況だと思うが、2年かかって蛹化したこともあったので、蛹化の前兆を見逃さないようにしないと幼虫は蛹化できず死んでしまう。幼虫は60mmクラスの成虫になるもので60グラム程になる。野外の100mmを超えるような個体の幼虫は100グラムを超えるはずだ。
蛹化の兆候はなれていないと良く分からないことが多い。小さな容器で飼育していた場合は蛹化の時期になると、容器から出ようとして通常の活動では見られなかった動きで盛んに動き回る。この時期に容器の蓋が開きやすいと、幼虫は蓋を開けて逃げてしまうので注意すること。動きだけでは良く分からなかったら体重を頻繁にチェックしておき、ドッグフードなどを食べなくなり1週間で体重が5グラム以上減ったら蛹化の前兆と見てよい。
このような状態になったら1.5リットル程度の容器にマットを蓋いっぱいまで詰め、その容器の中に幼虫を入れてやる。マットはカブトムシ用のマットでかまわないが、そのままだと湿度が多いことが多いため少し乾燥させてから使用する。容器の中の幼虫はしばらく容器内を徘徊しているが、やがて容器の外から見えなくなる。この状態になったら繭を作っている。
ゴライアスの飼育で注意しなくてはならないのは、蛹化の時期を見逃さないことで、この時期を見逃すと幼虫は目に見えて小型になっていく。また、蛹化できなかった幼虫は死亡するため、終令末期になったら幼虫の動きに注意して飼育する。
幼虫に与えるエサだが、ドッグフードを使用してもある程度の大きさになる。しかし野外産の大型の個体には及ばないため他のエサを使用して試してみるのも良い。ビーフジャキーも大型になるようだが野外産に及ばない。爬虫類用のエサにピンクマウスがあるが、これをエサとして与えるとかなりの大型になるようだ。いずれにしても肉食性が強い種のため、マットのみでは育たず何らかの栄養源を与える必要がある。野外の幼虫の行動に木に登ると言う記述があるが、幼虫はいったいどのような生活をしているのだろうか。
蛹化から羽化
順調に成長した幼虫だが、ここで管理を間違えると死亡する個体や、羽化しても羽化不全になったりする。繭を作り繭から脱出し活動まで約5〜6月かかるが、この期間はマットを乾燥させることで、マット内の湿度が多いと繭の中で死亡する個体が多くなる。
まず、繭を作ったのを確認したら、繭の上面までマットをかき出してやる。ゴライアスの繭は薄く壊れやすいため、容器の中を探るときは注意して行うこと。繭の付近のマットの水分が多いようだったら、容器の蓋を開けマットを乾燥させる。かなり乾燥させても羽化に支障はないようで、マットの表面はからからでもかまわない。完全に乾燥してしまうのは良くないので、若干の水分がありマットの表面がいつも乾いている状態が良い。あまり乾くようだったら、霧吹きで軽く加湿してやる。
蛹の期間の管理でもう一つ気をつけなければならないのは温度で、20度代前半では低すぎるようで、25度以上を保つようにする。幼虫のときは20度程度で飼育していても問題なく成長するが、蛹の時期は温度が下がるとうまく成長できないようだ。
幼虫が繭を作ると、羽化が楽しみで繭を割ってみたい衝動に駆られるが、ゴライアスの場合は絶対に繭は割ってはいけない。ゴライアスの繭はトルクアータのように厚い繭ではなく壁が薄い繭だ。繭を作った直後は壊れやすく繭を壊してしまうと再び繭を作れず死亡する。また、繭の中で蛹化しても繭を壊してしまうと羽化不全になる。繭を壊すか開けると100%羽化不全か死亡するため、ゴライアスは自力で脱出するのを待ったほうがいい。
繭を作ってから約6月経つと、大体の個体は自分で繭から脱出してくる。繭から脱出した個体はすぐにエサを食べるため、脱出した個体がいないか注意しておくこと。この頃になっても脱出してこない個体は繭の中で死亡していることが多い。
当サイトの画像、文章を無断使用、転載することを、堅くお断り致します
Copyright(c)
2004 [AtoZ] All Rights Reserved.
Since 2002 Jun.
|