外国産コガネムシ飼育方法
ポリフェムスオオツノカナブン

飼育難易度 |
★★★ |
★やさしい〜★★★★★難しい |
飼育のポイント |
孵化率がやや悪い。 |
成虫の飼育 |
転倒すると弱るので、起き上がれるように足がかりを入れる。 |
成虫飼育温度 |
25度前後、乾燥には強いが、低温、蒸れには弱い。 |
成虫の寿命 |
活動開始後3〜5月。 |
産卵部位 |
マット内。卵は湿度が高いと孵化率が悪い。 |
ペアリング |
雌雄同居で問題ない。雌単独で産卵させる場合は定期的に交尾させる。 |
産卵数 |
30〜50卵。 |
幼虫飼育 |
カブト用マットで十分に成長する。 |
幼虫の管理温度 |
できれば夏季25〜30度、冬季は20度を切らないように、蛹化時は25度以上。 |
幼虫飼育容器 |
大型の個体で1〜.1.5リットル。 |
幼虫期間 |
ほとんどの個体は約7〜8月。あまりばらつきはない。 |
蛹化時の注意 |
繭を作りはじめたらマットを乾燥させる。過湿では死亡するか羽化不全になる。 |
羽化後活動までの期間 |
羽化後1月程度で蛹室を脱出する。 |
活動開始後、産卵までの期間 |
活動開始後すぐに交尾、産卵可能となる。 |
成虫の入手
旧ザイールを中心にして周辺の諸国に産する。最近では野外産はあまり入荷がないか、あっても少数しか入荷しない。野外産の雌は産卵が終わっている個体もいるため、あまり産卵数は期待できない。飼育個体では新成虫が入手できれば産卵数も多いので、できれば飼育された個体を選ぶと良い。個体の変化はあまりないが、体色が緑色から赤みを帯びるものまで変化がある。これは幼虫時のエサによるようで、黒く発酵したマットだと緑が強くなり、発酵の浅いマットを使うと赤みが強くなる傾向がある。
オオツノハナムグリの飼育はトルクアータ(含ウガンデンシス)の飼育が一番簡単で、次にポリフェムス、サバゲ、クラッツと続く。サバゲ、クラッツは産卵が順調に行われても孵化率が低く、蛹化時に死亡する個体が多いため、注意して飼育しても次に世代につながらないような状態になりかねない。ポリフェムスはそこまで死亡率は高くないが、注意して飼育しないと少数しか羽化しない。
産卵セット
成虫は活動を開始すれば交尾、産卵が可能となっている。雄は雌を攻撃することはないため、雌雄同居で問題ない。交尾回数が多いほうが産卵数が多いようで、特別な理由がなければ最後まで雌雄同居で飼育したほうが良い。
活動開始した個体は非常に活発で、日中静止することはほとんどない。産卵容器は大きめの容器が良く、プラケースならば特大、あるいは小型の衣装ケースでも良い。ケースにマットを7分目まで入れ、マットの表面にエサ台と転倒しても起き上がれるように木片や樹皮などを入れておく。よく活動する種類なので、マットの表面積は広いほうが良い。マットはカブトムシのように押し固める必要はないが、あまりゆるいとマットにもぐりにくそうなので、少し押し固めておく。容器は通気を良くして、マットの表面は乾燥している状態にしておく。マットの底面はやや湿気があるような状態がいいようで、過湿の状態にすると卵が腐るためか孵化しない。
産卵に使うマットはカブトムシ用のマットで良いが、粒子が細かい方が産卵数が多い。カブトムシ用マットを使用する場合は軽くミキサーなどで細かくしてやったほうが良い。コガネムシ用のマットを使う場合はそのままで良いが、ともにやや乾燥させてから使用する。
卵はマットの中にばら撒くように産み付けられている。幼虫になってから回収しても良いが、幼虫で回収する場合は20日程度で新しい産卵セットを作り親を移し変える。卵で回収する場合は10日毎にマットを大きな衣装ケース等に空け、マットを少しずつ崩しながら卵を回収する。回収した卵はマットに軽く埋めるような状態で保管しておくと。産卵された直後の卵はラグビーボール状で、孵化直前には球形にふくらむ。卵は大きく直径3mm程度になるが、産卵直後は小さく見逃すことがある。マット内を良く探すこと。
この種の場合、産卵数は多いが卵が孵化しない、または孵化率が非常に悪いといったことがよく見られる。卵が全く孵化しないといったことは少なく、孵化率が3割程度になってしまうことがある。雄には問題ないようなので、マットの水分が影響していると思うが、原因は良く分からない。
幼虫飼育
産卵された卵は約20日程で孵化する。孵化当初の幼虫は1cmに満たない大きさだが、体が固まると活発にマット内を移動する。初令幼虫は500ccの容器で十分だが幼虫は成長が早く、初令、2令の期間はそれぞれ20日程度だ。幼虫は最初は500cc程度の容器に、2令の後期あたりに1〜1.5リットルの容器に入れ替えてやる。幼虫の食欲は旺盛で、エサのマットは小型の容器だとすぐに糞だらけとなってしまう。小型の容器で飼育している場合は頻繁に確認して、糞が多くなっているようだったらエサのマットを交換する。初令で500ccの容器に入れ、2令後期に1.5リットルの容器に入れ替え、その後3月後にエサ交換すると蛹化までそのままいくことが多い。容器にマットを入れるときは、クワガタのようにマットを硬く詰める必要はなく、軽く抑える程度にする。
幼虫に与えるマットはカブトムシ用マットでかまわない。幼虫のうちはマットが湿っていても成長には支障がないことが多い。ただし過湿の状態には強くなく、死亡する事もあるので容器の通気をよくしてやる。また、湿度が多いと蛹になる時期にダニが発生して繭に中の幼虫が食べられてしまうことがある。幼虫が死亡してからダニがつくのか、ダニがつくから死亡するのか分からないが、いずれにしても過湿の状態は良くない。幼虫期間は孵化後7月程で繭を作り始めることが多い。幼虫は通常容器の底にいて、底面から確認すると幼虫が見えることが多い。この種の繭は容器の側面に作ることが多く、外から確認しやすい。やはり繭は一晩で作るようで、前の日には容器の底面にいた幼虫は次の日には繭を作っている。幼虫の飼育は簡単なので、孵化さえすればここまでは順調に行く個体が多い。
蛹化から羽化
順調に成長した幼虫だが、ここで管理を間違えると死亡する個体や、羽化しても羽化不全になったりする。繭を作り繭から脱出し活動まで約3月かかるが、この期間はマットを乾燥させることで、マット内の湿度が多いと繭の中で死亡する個体が多くなる。
まず、繭を作ったのを確認したら、繭の上面までマットをかき出してやる。繭の付近のマットの水分が多いようだったら、容器の蓋を開けマットを乾燥させる。かなり乾燥させても羽化に支障はないようで、マットの表面はからからでもかまわない。完全に乾燥してしまうのは良くないので、若干の水分がありマットの表面がいつも乾いている状態が良い。あまり乾くようだったら、霧吹きで軽く加湿してやる。
蛹の期間の管理でもう一つ気をつけなければならないのは温度で、20度代前半では低すぎるようで、25度以上を保つようにする。幼虫のときは20度程度で飼育していても問題なく成長するが、蛹の時期は温度が下がるとうまく成長できないようだ。
この種は繭を容器側面に作ることが多いため観察しやすいが、幼虫が容器の中央に繭を作ると、羽化が楽しみで繭を割ってみたい衝動に駆られるが、言うまでもなく繭は割らない方が良い。どうしても中を見てみたい場合は、卵形の繭のとがった方を少しずつ崩して小さな穴を開けてみる。このときに幼虫がまだ羽化していない場合、羽化不全の原因となるため、繭の中に崩した破片を落とさないようにする。繭を開けると羽化不全が多くなるため、できれば自力で脱出するのを待ったほうがいい。
繭を作ってから約3月経つと、大体の個体は自分で繭から脱出してくる。繭から脱出した個体はすぐにエサを食べるため、脱出した個体がいないか注意しておくこと。
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