国産ヤママユガ標本写真館

シンジュサン 本州以西対馬以外亜種 

Samia cynthia pryeri

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奄美大島産 ♂
東京都産 ♂
 
 
分布:本州、四国、九州、種子島、屋久島、奄美大島、徳之島、奄美諸島、沖永良部島、沖縄諸島、沖縄本島、石垣島、西表島。

開張:110〜140mm。

生態:年2回、5月〜6月と8月〜9月に発生する。暖地では年3回、寒冷地では年1回の発生。成虫は樹林周辺に多く見られ、夜間灯火に飛来する。

食草:ニガキ科のシンジュ、ニガキ、ミカン科のキハダ、ブナ科のクヌギ、エゴノキ科のエゴノキ、クスノキ科のクスノキ、ミツバウツギ科のゴンズイ、トウダイグサ科のナンキンハゼ、ヒマ、ミカン科のカラスザンショウなど多くの植物を食べる。

 大型のヤママユの仲間。本州ではヤママユとともに最大級の大きさ。平地から山地まで広く分布している。
 シンジュサンのシンジュは真珠のように美麗な容姿から名付けられたと思っていたが植物の神樹の意味。幼虫がニガキ科のシンジュを食べることからつけられた名前。
 ヨナクニサンの翅紋は三角だが、シンジュサンは三日月状。

 学生の頃、カミキリ屋さんに連れられて高尾山に夜間採集に行った。
 ケーブルカーの駅から電源を借りて白布を張り、ブラックライトを点灯し灯火に集まるカミキリムシを採集した。一晩中採集するなんて怖さもあったが、各種の昆虫が飛来し飽きることはなかった。
 その灯火に数頭のシンジュサンが飛来した。初めて見るシンジュサンは、真夜中と言うこともあって、違う世界に迷い込んでしまったような変な感覚になったことを覚えている。
 画像の東京都産の個体は高尾山の採集個体。あまりなじみがない種かもしれないが、現在でも東京周辺の平野部から山地にかけて、結構普通に分布している。