国産甲虫標本写真館

ヒロオビモンシデムシ

Nicrophoru investigator investigator  Zetterstedt, 1824

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ヒロオビモンシデムシ
上段 左♂ 右♀ ともに北海道釧路市産
下段 左♂ 右♀ ともに長野県上伊那郡産
 北海道のヒロオビモンシデムシは帯紋が狭く、本州のヒロオビモンシデムシは帯紋が広い。上翅会合部端の黒色部も本州のヒロオビモンシデムシは小さい。本州産は北海道産に比べると小型の個体が多い。

モンシデムシの雌雄判別方法
左♂ 右♀
 ♂は頭部が♀に比べて大きく,側頭が強く後方に張り出す。♂は頭楯が広範囲に赤く,♀は頭楯の先端部のみ僅かに赤くなる。.♂の前符節は♀に比べ外方に盤状に膨大する。

分布:北海道、千島列島、本州、四国、九州

体長:15〜22mm

雌雄の区別:♂は頭部が♀に比べて大きく,側頭が強く後方に張り出す。♂は頭楯が広範囲に赤く,♀は頭楯の先端部のみ僅かに赤くなる。.♂の前符節は♀に比べ外方に盤状に膨大する。

生態:北海道では平地から山地まで見られる地域が多いが、本州以南では山地に分布する。西日本では少なく、標高が高く自然環境が残っているような環境でしか見られないようだ。本州中部でもブナ帯まで標高を上げないと見られない。北海道でも本州でも個体数は少なく、観察しにくい種だ。

 他のシデムシ同様、動物の死骸に集まり、夜間灯火にも飛来する。
 ♂♀で子育てを行い、ネズミ・トガリネズミ・小鳥・ヘビ・カエルなどの繁殖に適した死体を見つけると死体を土の中に埋め、毛を除去し防腐処理をするなど非常に丹念に処理をし、きれいな形の肉団子にする。
 ♀はその周りからトンネルを掘り、その壁に卵を産みつける。孵化した幼虫には鳥が雛に餌をやるように口移しで餌を与える。
 餌やりなどの幼虫の世話は♀はほとんどの場合幼虫が蛹になるまで行い、♂は適当なところで止めて出て行くことが多いようだ。

 以前は北海道の個体をヒロオビモンシデムシ、本州以南の個体をヒロオビモンシデムシの亜種ホンドヒロオビモンシデムシとしていたが、現在では全ての個体群をヒロオビモンシデムシとすることが多いようだ。
 国内の分布は、寒冷地の環境が良い地域に限って分布しているが、海外では生息域が広く、ヨーロッパからアジア、北米にまで広く分布している。