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オオクワガタの世界

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オオクワガタの分布

 オオクワガタの仲間は日本のオオクワガタを初め、大型になりバランスがとれた体型をしていて、分布する地域により変異もあるため人気が高いグループだ。ここで紹介するグループは、日本のオオクワガタから中国ホーペ、各地のクルビデンス、グランディスをオオクワガタの仲間として紹介する。
 このグループはインドからタイ、ベトナムなどに分布するクルビデンスと呼ばれる系統と、中国、朝鮮半島から日本に分布するホーペと呼ばれる系統、台湾に分布するタイワンオオクワガタとグランディスオオクワガタの系統に分けられるようだ。それぞれの系統はかなり近い種類のようで、幾つかの組み合わせで雑種ができることが知られている。飼育する際も産地を取り違えないように、十分注意して飼育していただきたい種類だ。
 日本では古くからなじみのあるクワガタだが、同じ亜種とされているオオクワガタは、朝鮮半島の中国側まで分布している。この亜種と一番近いとされているホーペは中国の南東部に分布の中心があり、海南島にまで分布している。
 クルビデンスオオクワガタは、大陸のインド北部からタイ、ベトナムにかけて分布しているが、いずれの分布地域も山地で温帯林に近い環境に生息している。
 グランディスオオクワガタのグループは、台湾に分布するタイワンオオクワガタと、大陸に分布するグランディスオオクワガタになる。大陸側に分布するグランディスオオクワガタは、クルビデンスオオクワガタの分布域の中に生息地があり、ほとんどの生息地でクルビデンスオオクワガタと混生している。
 種間あるいは亜種間の雑種は、ほとんどの組み合わせでできるようで、日本のオオクワガタとタイワンオオクワガタ、グランディス、ホーペオオクワガタなどの組み合わせで種間、亜種間雑種が生まれることが確認されている。大陸のクルビデンスオオクワガタはやや離れた個体群のようで、同じ産地に分布しているグランディスオオクワガタや日本のオオクワガタとは、うまく交尾しないことが多い。最近の遺伝子による研究では、オオクワガタとホーペ、グランディスは近いグループで、クルビデンスオオクワガタはやや離れた位置にいるクワガタのようだ。

ホーペオオクワガタのグループ
 オオクワガタ
○ ホーペオオクワガタ
 
クルビデンスオオクワガタのグループ
 クルビデンスオオクワガタ

グランディスオオクワガタのグループ
 グランディスオオクワガタ
 タイワンオオクワガタ
 
 

                    オオクワガタ分布図

種類別解説



オオクワガタ Dorcus hopei binodulosus 分布:日本、朝鮮半島、中国東北部

 お馴染みの日本のオオクワガタを含む仲間になる。日本では北海道南部から九州南端まで広く分布している。国外では朝鮮半島から中国の朝鮮半島の近くには広く分布しているようだ。大きな面積がある島にしか分布していないが、対馬には例外的に分布している。淡路島とか佐渡島とか噂はあるが、正式な記録として発表されたことはない。淡路島は分布している可能性はあるが、佐渡島に分布しているは可能性はまずない。
 生息している地域により少しずつ変異はあるが、ホーペオオクワガタと比べると体は細身で大顎も細めになることが多い。日本のオオクワガタも西日本の個体群の方が体の幅が太め目になり、大顎も太くなる傾向がある。しかし、西日本産の個体でも細身で大顎が細く、東日本産と区別が付かないような個体もいるため、国内のオオクワガタは一つの個体変異の範囲に入ってしまう。なお、この比較は最近の個体の比較ではなく、放虫などが問題になる以前の個体の比較です、念のため・・・。こんな事を書かなくてはならないのは寂しい限りだ。
 日本の最大の個体は80mm程度になるが、朝鮮半島の個体はより寒冷な地域のためかあまり大型にならず、70mmあれば大型の個体になる。



ホーペオオクワガタ Dorcus hopei hopei 分布:中国南東部

 大陸側の中国南東部に分布している個体群だ。分布は広く黄河以南から海南島まで、広く分布しているようだ。生態はオオクワガタと変わらないようで、個体数はやや多いようだ。
 日本や朝鮮半島のオオクワガタより、やや太めの個体が多く、大顎も太めになる個体が多い。ホーペオオクワガタも個体変異が大きく、細身の個体や大顎が細い個体も多く、中型から小型の個体では日本のオオクワガタとほとんど変わらないような個体が多い。
 最大の個体で80mm程度になるようだ。



クルビデンスオオクワガタ Dorcus curvidens 分布:インド北部、ネパール、ブータン、ミャンマー、タイ北部、ラオス、ベトナム北部、中国南部

 分布は広いが生息地は山地帯で気温が低く、四季があるような地域がほとんどだ。生息地は冬季はかなり気温が下がり、場所によっては雪が降る地域もあり、夏季は日中晴れた日でも25度程度までしか温度は上がらない。緯度は南になるが、気候は日本で例えれば温帯林のような環境に好んで生息している。
 インド、ネパール、ブータンの個体が最も大型になるようで、最大の個体では85mmを越えるようだ。東に行くに従って大きくなりにくくなるようで、ラオスやベトナムの個体は70mmを越えれば大型になる。



グランディスオオクワガタ Dorcus grandis grandis 分布:インド北部、ミャンマー、ラオス、ベトナム北部、中国南部

 この種が記載されたのはだいぶ前になるが、しばらく分布地の詳細がわからず幻のクワガタとなっていた。その後ラオスで再発見され、インド北部まで分布が確認されている。
 ほとんどの地域でクルビデンスオオクワガタと混生していて、生息地の個体数はクルビデンスオオクワガタよりかなり少ないようだ。ラオスの個体は前胸背側縁部の前縁部に切れ込みが入るが、インド産では真ん中からやや上方に切れ込みが入るようで、地域によって変異がある。
 大型になる種で、最大個体では90mm近くなるようだ。



タイワンオオクワガタ Dorcus grandis fomosanus 分布:台湾

 台湾に分布するこの種は古くから知られていて、グランディスオオクワガタが再発見されるまでは日本のオオクワガタからクルビデンスまで、一つの種とされていた。
 台湾では低山地から山地帯に分布していて、樹液や灯火で採集されていた。現在は台湾の保護種のため、採集は禁止されている。生息地ではシェンクリングオオクワガタと同じ場所に生息していることもあり、同サイズ同士の個体ではシェンクリングオオクワガタの方が強いようで、より良い場所はシェンクリングオオクワガタに占有されてしまうようだ。
 幼虫は日本のオオクワガタと同様で、白枯れの立ち枯れなどから採集されている。最大の個体で80mm程度になるようだ。
 タイワンオオクワガタの前胸背側縁部は、グランディスオオクワガタのように前縁部に切れ込みが入る個体と、オオクワガタのように側縁部の真ん中あたりにクボミが入るタイプがある。前縁部に切れ込みが入る個体がタイワンオオクワガタの特徴とされていたが、ほとんどの産地で両方のタイプがいるようだ。



オオクワガタ番外編

シェンクリングオオクワガタ Dorcus schenklingi 分布:台湾

 オオクワガタのグループとは少し離れた位置にいるクワガタだが、大型になり人気が高い種なので番外編として紹介する。
 日本のコクワガタを大きくしたような体型をしているが、コクワガタとはかなり離れたクワガタのようだ。どちらかというと体型はかなり異なるが、アンタエウスオオクワガタに近いようで成虫、幼虫の生態もよく似ている。
 台湾の山地帯に分布していて、個体数はあまり多くないものの台湾の山地帯に広く分布しているようだ。かなり大型になる種で、最大の個体は90mm近くなる。タイワンオオクワガタと同所に生息している場合は、よほどサイズが違わない限りはシェンクリングオオクワガタの方が優位で、良い条件の場所はシェンクリングオオクワガタが占有してしまうようだ。



アンタエウスオオクワガタ Dorcus antaeus 分布:インド北東部、ネパール、ブータン、シッキム、ミャンマー、タイ北部、ベトナム北部、ラオス、中国南部、マレー半島など

 東南アジアの標高がある山地帯に広く分布している種で、ほとんどの生息地でクルビデンスオオクワガタと混生している。個体数はクルビデンスオオクワガタより多く、幼虫はクルビデンスオオクワガタより湿度が高く、より腐朽が進んだ地表部から地中部の朽ち木にいることが多い。
 産地により体型や大顎に変化があり、インド北部からネパールあたりに分布する個体群が大顎も前方に伸び最も大きくなる。大型になる産地はクルビデンスオオクワガタと同じなのは面白い。
 寒冷な気候に適応している種のようで、高温には弱くうまく成長しない。生息地は冬季の温度はそれほど下がらないが、活動期の夏季の温度は高くても25度止まりで、湿度も高く冷涼な地域にしか分布していない。



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