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日本のチビクワガタ、ツノヒョウタンクワガタ

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チビクワガタ、ツノヒョウタンクワガタの分布

 日本に分布するチビクワガタの仲間は全部で5種類が知られている。チビクワガタの系統とマメクワガタの系統に分けられるが、共に同じ属の近縁な種類になる。共に小型の種類で一番大型のオガサワラチビクワガタでも20mm程度、その他の種類は10mm前後の個体が多い。チビクワガタとマメクワガタは同じ様な大きさで区別が付きにくいが、チビクワガタとマメクワガタの見分け方は、チビクワガタでは前胸後角が直線になるのに対し、マメクワガタはギザギザになることで区別できる。分布図では混生しているように思えるが、マメクワガタは沿岸部に、チビクワガタは内陸部に分布していることが多く、混生地はほとんどない。
 この仲間はともに暖地性の種類で、最東北部に分布するチビクワガタでも確実な産地は本州だと静岡県までとなる。八丈島には多産するが、チビクワガタは島嶼でもほとんど分布している島はなく、確実に分布している島は八丈島と御蔵島だけになる。
 オガサワラチビクワガタは小笠原諸島に広く分布しているようで、ほとんどの島で記録がある。
 マメクワガタは八重山諸島から本州、四国、九州の沿岸沿いに分布している。南西諸島から九州南西部の島嶼には広く分布しているようで、最北の分布地は対馬、東限は伊豆諸島になる。海沿いに分布していることから、海流で分布を広げていると思われる。
 ダイトウマメクワガタは大東諸島に分布しているマメクワガタの仲間で、前胸の中央溝周辺の点刻が細かく、溝自体も短く浅い。体全体に光沢が強いが、マメクワガタとの区別は難しい。
 イオウマメクワガタは中硫黄島に分布しているが、この島は太平洋戦争の激戦地で、現在は自衛隊以外は常駐していない。基本的に渡航は出来ない島なので観察は難しい。
 ルイスツノヒョウタンクワガタは国内に分布する唯一のヒョウタンクワガタ。分布の南限は沖縄本島で、マメクワガタと同様に沿岸部に沿って分布している。現在知られている北限は対馬、東限は和歌山県になる。この種は八重山諸島には分布していないようだ。
 この仲間は雌雄で外部形態が似ているため雌雄の判別が難しいが、体の大きさに対し前胸や頭部、大顎が大きいのが♂、体に対して前胸や頭部、大顎が小さく腹部が大きいのが♀になる。チビクワガタとオガサワラチビクワガタ、ルイスツノヒョウタンクワガタの雌雄は比較的判別しやすいが、マメクワガタの仲間の雌雄判別はかなり難しい。



チビクワガタの仲間
 チビクワガタ
 オガサワラチビクワガタ

マメクワガタの仲間

 ○マメクワガタ
 ○ダイトウマメクワガタ

 ○イオウマメクワガタ

ルイスツノヒョウタンクワガタ
 ○ルイスツノヒョウタンクワガタ
                    チビワガタ分布図

種類別解説



チビクワガタ Figulus binodulus 本州、四国、九州、伊豆諸島(御蔵島、八丈島)
 本州から九州まで国内では広く分布している種類になる。暖地性の種類で、確実に分布が確認されているのは本州では静岡県までとなる。周辺離島にはほとんど分布していないが、御蔵島と八丈島には分布している。八丈島には多産していて、簡単に見つけることが出来る。内陸性の種類で、沿岸部にはほとんど分布していない。
 成虫は朽ち木の中に集団でいることが多く、朽ち木の中に坑道を掘って生活している。成虫は肉食性が強く、弱った個体がいれば同種の個体でも食べられてしまうが、幼虫が同じ朽ち木で見られることが多いため同種の幼虫は食べないようだ。同じ様な環境に生息しているコクワガタの幼虫などは同じ朽ち木でほとんど見られず、他の種類の昆虫は朽ち木内で襲って食べてしまう。幼虫は朽ち木を食べて成長するが、親が朽ち木を砕いておくなどの多少の世話をする。親の成虫がいなくても羽化まで問題なく成長するため、オニクロツヤムシのように強い社会性はないようだ。幼虫は他種の幼虫と一緒にいても共食いすることはなく、朽ち木のみで成長する。


オガサワラチビクワガタ Figulus boninensis 小笠原諸島(母島、父島、媒島、弟島、兄島、向島など)
 チビクワガタより大型で、前胸が発達し大あごの外側が角ばる。小笠原諸島のほとんどの島に分布しているが、父島と母島以外は無人島で船をチャーターしないと渡航できない。生態はチビクワガタとほとんど同じで、朽ち木内でコロニーを作って生活している。


マメクワガタ Figulus punctatus 山口県、紀伊半島、四国の南沿岸部、九州の海岸沿い及び周辺島嶼(対馬、五島列島、男女群島、天草下島、屋久島、種子島、口永良部島、トカラ諸島、黒島)、奄美大島、徳之島、沖縄本島及び周辺の島嶼、石垣島、西表島、伊豆諸島(神津島、御蔵島、三宅島)など
 チビクワガタと異なりほとんどの分布地で沿岸部に見られる。成虫はチビクワガタより肉食性が強く、チビクワガタの成虫や幼虫も襲って食べてしまう。そのためチビクワガタとの混生地ではマメクワガタの方が勢力が強い。
 生態はチビクワガタと同様で、朽ち木内にコロニーを作って生活している。


ダイトウマメクワガタ Figulus daitoensis 南大東島、北大東島
 大東諸島に分布するマメクワガタの仲間で、マメクワガタより体表の艶が強い。生態はマメクワガタと同様で、朽ち木の中に坑道を掘って数頭から十数頭の個体が生活している。


イオウマメクワガタ Figulus yujii 中硫黄島
 火山列島の中硫黄島に分布している。イオウマメクワガタはマメクワガタと別の系統のマメクワガタで、体の特徴はマメクワガタとはやや異なる。火山列島は北硫黄島、南硫黄島、中硫黄島があるが、共に渡航は難しい。生態はマメクワガタと同じようだ。


ルイスツノヒョウタンクワガタ Nigidius lewisi 本州(和歌山県)、四国の太平洋側、九州湾岸とその周辺の島および沖縄本島までの南西諸島
 国内に分布する唯一のヒョウタンクワガタ。チビクワガタ同様に朽ち木内に集団で見られることが多く、幼虫も同時に見られる。肉食性はチビクワガタより弱い。


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